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2004年05月28日(金) 14時33分

オウム井上被告に死刑判決…控訴審で「無期」覆る読売新聞

 地下鉄サリン、仮谷清志さん拉致など10事件に関与したとして、殺人罪などに問われたオウム真理教元幹部・井上嘉浩被告(34)の判決が28日、東京高裁であった。山田利夫裁判長は「事実解明に協力し、贖罪(しょくざい)の気持ちも顕著だが、悲惨な結果をもたらした地下鉄サリン事件では、散布役と同等の刑事責任がある」と指摘、無期懲役とした1審判決を破棄し、求刑通り死刑を言い渡した。

 オウム真理教による事件で死刑判決は13人目だが、無期懲役が覆されて死刑となったのは初めて。弁護側は直ちに上告した。

 井上被告の公判の最大の争点は、12人の死者を出し、量刑に最も影響を与える地下鉄事件で、同被告が果たした役割をどう認定するかだった。

 1審判決は「後方支援、連絡調整役」としたが、山田裁判長は、井上被告が麻原彰晃こと松本智津夫被告(49)(1審・死刑、控訴中)とリムジン車内で行った謀議でサリン散布を提案したことや、総指揮役の村井秀夫幹部(故人)を補佐しながら、犯行に使う車を調達したことなどを重視、「総合調整ともいうべき重要な役割を果たした」と認定した。

 また、1審が死亡との因果関係を否定して逮捕監禁罪しか認めなかった仮谷さん事件についても、「逮捕監禁と死亡との因果関係はある」とし、逮捕監禁致死罪の成立を認めた。

 その上で、「犯した罪の大きさに打ちひしがれ、後悔や謝罪もしているが、量刑は被告の果たした役割など行為の面が中核的な要素で地下鉄事件だけでも死刑に値する」と述べた。控訴審では、元信者ら5人が検察側証人として採用されたが、新実智光被告(40)が証言を拒否するなど1審段階と大きく異なる証言は出ず、1審の証拠を高裁がどう評価するかが焦点だった。

 井上被告は、「諜報(ちょうほう)省大臣」として教団武装化のための活動に従事。95年3月の地下鉄事件など多くの凶悪事件に手を染め、起訴された10事件で死者は15人に上った。

 松本被告らの1審判決は、井上被告を地下鉄事件の「現場指揮者」と認定。地下鉄事件のサリン散布役には、これまで、林郁夫受刑者(無期懲役)を除く4人全員に死刑が言い渡されている。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040528-00000105-yom-soci