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2004年05月27日(木) 00時00分

県立病院医療事故まとめ 個別内容、大半が非公開 東京新聞

 県衛生部は二十六日、二〇〇三年度中の県立病院の医療事故状況をまとめ、「公表」した。昨年四月に施行した公表基準に基づくもので、今回が初めて。県は「透明性を高め、県民からの信頼を得る」とうたったが、公表資料では個別事例の内容はほとんどが非公表とされるなど、「透明性」には疑問符が付く形となった。 (原 昌志)

 県立の九病院すべてで発生した医療ミスなどのケースを、病院の報告に基づきレベル〇−五の六段階で分類してまとめた。全体では一万三百件発生し、ミスなどによって患者に治療の必要性が生じた「レベル三」以上の事故は二百五十件あった。

 「三」以上のうち患者が死亡した「レベル五」と、事故により高度の後遺症となる可能性がある「レベル四」は各一件。

 「五」は精神医療センター芹香病院(横浜市港南区)の女性患者(54)が昨年五月、自室で隠れて食物を食べて窒息死したケース、「四」は同十月に同病院で朝食中の女性患者(73)がパンを詰まらせたのが原因で肺炎を起こし、二週間後に別の病院で死亡したケースだった。

 基準で「五」は原則的に速やかな公表を定めているが、今回の事例は「遺族の了承が得られず、社会的影響が大きい事故ではなかった」(県立病院課)として公表していなかった。「四」の事例は死亡しているが「病院の過失でなく、別の病院で死亡したため『四』にあたると判断、公表しなかった」(同)とした。

 また「三」以下の公表では、各病院が「代表的事例」として▽薬物の過剰投与▽手術時に体内にガーゼを置いたままにして再手術した−などを最大三件ずつ記載しているだけで、そのほかはすべて公表の対象外だった。

 事故がどのレベルにあたるかは各病院の判断に任されており、未公表部分は事後的にさえ、判断の是非を第三者がチェックできない仕組みとなっている。県立病院課は「今後どう改善できるか検討したい」としている。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/kgw/20040527/lcl_____kgw_____000.shtml