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2004年05月25日(火) 03時03分

三菱自、欠陥指摘業者に新車10台…もみ消し図る読売新聞

 三菱自動車(昨年1月に商用車部門が三菱ふそうトラック・バスに分社)が、大型車のクラッチ部品の欠陥を隠すために、1995年に欠陥が原因で事故を起こした東京都内の産業廃棄物業者に対し、この業者が保有する約10台の大型車を、すべて新車に取り換える特別な補償措置を行い、欠陥をもみ消していたことが24日わかった。

 当時の大型車部門の同社首脳も承認していた。クラッチ部品の欠陥隠しは、同社が社内会議で隠ぺいを正式決定する1年前のこの措置が発端となり、以後、経営陣に引き継がれていた。

 クラッチ欠陥を巡るこうした一連の経緯については、当時の同社幹部らが、捜査当局の調べに対して供述を始めている。2002年に山口県で発生した死亡事故について捜査している神奈川・山口両県警は、当時の経営陣が、欠陥を隠して事故を未然に防ぐ措置を取らなかったとして、業務上過失致死罪の適用を視野に聴取を進める方針。

 国土交通省などによると、産廃業者が所有するダンプ車は95年夏ごろ、走行中に突然、クラッチを覆う金属製のカバーが破断。後輪に動力を伝えるドライブシャフトが道路上に落ち、後続車に衝突。けが人はなかったが、業者は同社に対し「部品に構造上の欠陥があるのではないか」と指摘。原因を調査し、改善措置を取るよう申し入れた。

 92年に初めて発生したクラッチ部品の不具合は、当時、94年に横浜市で発生した人身事故を含め30件近く発生していたが、同社では欠陥に気づきながら何ら対策を取らず放置。破損した部品を新品に交換するだけの処置で済ませ、故障原因も一切、ユーザーに説明することはなかった。

 同社では産廃業者の事故も、部品の交換だけで済ませることを決めていたが、業者から欠陥の疑いを再三、強く指摘されたため、結局、問題が発生していない車両も含めて、業者が所有するすべての同社製大型車を三菱側の負担で新車に取り換えることで合意した。

 出費は1台当たり少なくとも1000万円以上かかるため、業者と協議を続けていた品質保証部門は、担当役員に経過を報告。最終的に、大型車担当の役員間の協議で、欠陥を隠すための特別な補償措置として承認。この時点から、クラッチ部品の欠陥隠しは、役員間の申し送り事項となった。

 その後、社内実験でクラッチ部品の欠陥がブレーキ破損につながることが実証され、問題は96年5月に「リコール検討会」にかけられた。しかし、産廃業者に対する特別補償措置の際、欠陥を隠す方針で役員の決裁を受けていたことから、同社は、販売会社でひそかに修理を行う「ヤミ改修」を決めたという。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040525-00000001-yom-soci