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2004年05月20日(木) 19時22分

公取委が有線最大手に立ち入り検査、不当値引きで読売新聞

 有線放送事業を巡り、業界最大手の「有線ブロードネットワークス」(東京都千代田区)が、業界2位の競争業者の顧客だけを対象に不当な値引きを繰り返すなどしていた疑いが強まり、公正取引委員会は20日午前、同社の本社と全国の支店など計十数か所に対し、独占禁止法違反(私的独占)の疑いで立ち入り検査に入った。

 公取委は、急速に規模を広げた有線放送業界で、伸び悩む顧客開拓に不当な行為を重ねたものとみて調べを進める。

 ほかに検査を受けているのは、「日本ネットワークヴィジョン」(新宿区)の本社と全国の営業所。「日本ネット」は「有線」と唯一の代理店契約を結んでいる。

 関係者によると、1000億円市場の有線放送業界で8割のシェアを持つ「有線」は、音楽や語学番組など440のチャンネルがある「USEN440」などを顧客に提供している。放送サービスに加入する場合、顧客は加入料(3万円)、月視聴料(6000円)を支払うが、同社と「日本ネット」の2社は昨年7月以降、業界2位の「キャンシステム」(渋谷区)の顧客に絞り、「有線」への契約切り替えを条件に、視聴料を一定期間無料にしていた。無料期間が終わっても、視聴料は「キャン」より割安に設定する「差別対価」を設けていたケースもあった。

 2社のこうした行為が始まる前の昨年7月、「キャン」のシェアは全体の約2割だったが、現在は1割近くにまで落ち込んでいるといい、公取委は、2社が「差別対価」を手段とするなどしてシェアの独占を図り、公正な競争を阻害した疑いが強いとみている。

 「キャン」では昨年9月、自社の顧客に対し、2社の営業マンとみられる人物が、「キャンシステムはつぶれます」などと口頭で契約の切り替えを迫っていたことを確認し、独禁法違反容疑で公取委に申告していた。

 民間調査機関によると、「有線」は2001年4月、ナスダック・ジャパン(現ヘラクレス)市場に上場。その後、通信カラオケ事業やブロードバンド事業にも参入するなど注目を集めている。

 有線ブロードネットワークスの話「公取委の検査を受けているが、詳しい状況は分からない」

 ◆有線放送事業=1970年代は、全国に200以上あった放送業者が飲食店などに音楽放送を提供する「地域密着型」が主流だった。90年代以降、放送内容は音楽のほか、落語や語学、教育番組などに広がった。番組を聞くには業者が無料で貸し出す受信機が必要で、加入料と視聴料を支払ってサービスを受ける。多チャンネル化や通信衛星によるCS放送化が進み、顧客は一般家庭にまで拡大したが、現在は、景気低迷で顧客数が伸び悩んでいる。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040520-00000106-yom-soci