2004年05月14日(金) 11時38分

＜オウム＞早川被告に２審も死刑支持（毎日新聞）

　坂本堤弁護士（当時３３歳）一家殺害や、信者の田口修二さん（当時２１歳）殺害など計７事件で、殺人などの罪に問われたオウム真理教（アーレフに改称）の元幹部、早川紀代秀被告（５４）に対し、東京高裁は１４日、１審・東京地裁の死刑判決（００年７月）を支持し、被告の控訴を棄却した。中川武隆裁判長は「事件の結果は極めて重大であり、幹部の地位にあった責任は重い。１審判決の判断はやむを得ず、重すぎるとは言えない」と述べた。弁護側は即日上告した。

　教団による一連の事件では、１審で松本智津夫（麻原彰晃）被告（４９）ら１２人が死刑判決を受け、控訴審は▽岡崎一明（４３）▽横山真人（４０）▽端本悟（３７）▽林泰男（４６）の各被告＝いずれも上告＝に次いで５人目。

　坂本弁護士事件について、判決は「居室への侵入許可をほかのメンバーに与えたり、証拠隠滅を指示するなど、松本被告の指示を受け、村井秀夫元幹部（故人）とともにリーダー役を果たした」と指摘し、「犯行を指揮するような積極的立場ではなかった」との弁護側の主張を退けた。

　田口さん事件で、弁護側は「殺害しなくてすむよう、脱退を思い直すよう説得しており、ほかの実行犯より役割は軽い」と主張したが、判決は「（死刑の）量刑を左右する重要性があるとはいえない」と述べた。また、松本被告によるマインドコントロールについて「指示を拒否できなかったのではなく、拒否しないことを選んだにすぎない」と述べ、刑の軽減理由となる「心神耗弱」の成立を否定した。

　判決によると、早川被告は松本被告の指示で、ほかの幹部ら５人と８９年１１月、横浜市の坂本弁護士宅で一家３人を殺害した。同年２月には脱会しようとした田口さんを、ほかの４人と一緒に教団施設内で絞殺するなどした。【坂本高志】（毎日新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040514-00001018-mai-soci