悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2004年05月11日(火) 08時21分

宝島社の「いい医者・病院」本に患者団体抗議 取材なし朝日新聞

 患者団体が推薦する「いい医者」「いい病院」をまとめて宝島社(東京都千代田区)が昨年末に出版した本について、複数の患者団体が「取材を受けていない」「医師も病院も推薦していないのに名前を使われた」などと抗議していることがわかった。同社は一部の無断掲載を認め、全団体について掲載の経緯を調べている。

 本は「全国ネットワーク『患者の会』が薦める! 病気別全国600 いい医者 いい病院 完全保存版」。がんや脳卒中、糖尿病など12の病気ごとに計70ほどの患者団体名と連絡先を載せ、続けて「患者団体が知っている安心できる名医・名病院」として病院リストを掲載している。1万3000部出版した。

 朝日新聞の調べでは、少なくても大腸がんや小児がんなどの8団体が取材を受けていない他、肺がんや子宮筋腫・子宮内膜症などの8団体は病院名を推薦していないのに名前が載っていた。

 子宮・卵巣がんのサポートグループあいあい(東京都)は取材を受けていなかった。同社編集部に問い合わせたところ、後日、担当のフリーライターから「確認しようと何度か電話したがつながらなかった」「リストは、自分がいいと思う医師や病院を編集部に提出した」と釈明された。

 会を主宰するまつばらけいさんは「患者によって医師に求めるものは異なり、万人にとっての名医は存在しない。リストの中には多数の患者から会に苦情が寄せられている医師も含まれている」と憤る。

 子宮筋腫・内膜症体験者の会「たんぽぽ」(横浜市)は取材は受けたが、医師や病院は推薦しなかった。出版前の段階では病院リストの前に「患者団体が知っている……」という記載がなかったため、団体名の掲載を承諾した。本を見て、会が推薦しているように読めるため、抗議文を送った。

 宝島社の関川誠・取締役出版1局長は「ライターの主観や、医療技術者、救急車の隊長クラスなどに取材し、載せた部分もある。ただ、誤解を招く表現もあり、再度全団体を調べ直して、表現にいきすぎがあるという判断になれば、回収や重版しないなどの処置を取りたい」と話している。(05/11 08:21)

http://www.asahi.com/national/update/0511/007.html