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2004年05月10日(月) 11時54分

交換ソフト「Winny」開発の東大助手を逮捕読売新聞

 発信源などの特定が困難なファイル交換ソフト「Winny」(ウィニー)を開発し、インターネットを通じて映画やゲームソフトを違法コピーするのを容易にしたとして、京都府警ハイテク犯罪対策室は10日、東京都文京区根津、東京大大学院情報理工学系研究科助手金子勇容疑者(33)を著作権法違反(ほう助)の疑いで逮捕した。

 ファイル交換ソフトについては関連業界が問題視し、違法性が指摘されていたが、ソフト開発者を同法違反のほう助に問うのは国内で初めて。

 金子容疑者は、インターネットの掲示板「2ちゃんねる」で「47氏」と呼ばれており、「そろそろ匿名性を実現できるファイル共有ソフトが出てきて、現在の著作権に関する概念を変えざるを得なくなるはず。試しに自分でその流れを後押ししてみよう」などと、開発理由を説明する書き込みがあった。

 府警は昨年11月、高崎市の男性と、Winnyを使ってゲームソフトをネット上で公開した松山市内の無職少年を同法違反容疑(公衆送信権の侵害)で逮捕。関連先として、金子容疑者の自宅も捜索していた。

 Winnyは、ネット上で無料公開されているソフトで、他のパソコン自体に納められた音楽や映画などのデジタルデータをネットを介したパソコン同士で送受信できる。データは暗号化されるため、発信源などの特定は困難といわれる。

 調べでは、金子容疑者は2002年5月ごろ、従来の交換ソフトより匿名性を高めようとWinnyを開発し、自分のホームページ上で無料公開。昨年9月、群馬県高崎市の男性がWinnyを使い、米映画などをネット上で公開するのを手助けした疑い。

 Winnyの利用者は全国で約25万人に上るとみられる。

 ◆ウィニー=ファイル交換ソフトの一つで、2002年5月に公開された。インターネットに接続した状態で、入手したいファイル名の一部を入力すると、他のウィニー利用者のパソコン内を自動的に探してダウンロードする。誰がファイルを流したかが分かりにくい仕組みになっていることから、違法ファイルの交換などに人気がある。

 著作権法では、市販のゲームソフトや映画などの著作物を個人で楽しむ目的でコピーすることは認められているが、コピーを送信できる状態に置くことを禁じており、こうしたコピーソフトなどもウィニーで交換されている。

 今年3月以降、ウィニー利用者のパソコンのデータを勝手に流すウイルスが広まり、京都府警や北海道警の捜査報告書、高知市消防局の火災報告書、防衛庁の隊員名簿などの公的文書が次々と流出した。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040510-00000002-yom-soci