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2004年05月08日(土) 08時56分

ネット音楽販売、米で過熱 ソニーも参戦、アップル追う朝日新聞

 ネット音楽販売を巡る競争が、米国で激しくなっている。パソコン大手のアップルコンピュータがこの1年で7000万曲以上を売り上げて先行。出遅れていたソニーも今週からネット音楽販売に参入した。1曲99セント(約109円)が主流だった業界に、小売り最大手のウォルマートも3月に、1曲88セントの「価格破壊」を掲げて乗り込んだ。

 アップルのスティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)は先月28日、ネット音楽販売サービス開始1周年の電話記者会見で、「前四半期(1〜3月期)に小さいながらも利益が出始めた」と喜んだ。

 米国のネット音楽販売は昨年4月にアップルがサービスを開始して以来、一気に火がついた。月ぎめの利用料をとらず、1曲99セントで購入できる仕組み。手軽さで、それまであったネット音楽販売サービスを圧倒した。

 米国のネット音楽販売市場では、同社の「iTunes・ミュージックストア」が7割を占めるといわれ、首位を独走中だ。

 これに対し、ソニーは今月4日から、米国内向けに独自のネット音楽販売サービス「ソニー・コネクト」をスタートさせた。1曲99セントでの販売はアップルと同様。米国ソニーの荒木誠広報担当は「市場はまだまだ広がっていく。ネットで音楽を購入するという認識が広がった今の段階で参入し、あらゆる利用者層をカバーしていきたい」と説明する。

 両社がネット音楽販売に力を入れるのは、音楽を再生するためのプレーヤーなど機器販売が伸びることが大きい。01年11月に発売されたアップルのデジタル携帯音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」は、今年1月には全世界での売り上げが200万台を超えた。コネクトに対応できるソニーの携帯音楽プレーヤーも、すでに米国で250万台以上販売されているといい、同社はその数を年内に700万台以上に伸ばす計画だ。

 一方、他社よりも安い値段を掲げて今年3月にサービスを開始したウォルマートの狙いは、ネット販売サイトでの品ぞろえの拡充にあるとみられる。

 米国では、すでにアップルを含め、大手のネット音楽販売業者が10以上ある。アップルの販売曲数はすでに7000万曲以上。ナップスターも昨年10月末のサービス開始以来、今年2月までに500万曲を売り上げた。

 それでも、米国の音楽業界全体からみると、占める割合は少ない。03年のCDアルバムの出荷量は7億4500万枚。CDアルバム1枚当たりに10曲収録されているものと考えると、販売曲数は約74億曲規模に上る計算だ。ネット販売は1%強という計算になる。

 新規参入組は、この数字に今後の将来性を見込んでいる。

 調査会社ガートナーG2のアナリスト、マイク・マグワイア氏は「米国のネット音楽販売市場はまだ始まったばかり。参入コストが安いため、今後思いもしなかった会社が参入するかもしれない」とみている。

(05/08 08:56)

http://www.asahi.com/business/update/0508/007.html