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2004年05月07日(金) 10時25分

関電社員、業者の求めに応じ顧客情報を数回漏らす朝日新聞

 関西電力が、電気使用量などの顧客情報を、取引のある滋賀県内の電気工事会社に漏らしていたことが関電の社内調査で分かった。漏洩(ろうえい)したのは関電と契約のある事業所や個人の情報で、少なくとも183件。関電の旧長浜営業所(滋賀県長浜市、昨年6月に廃止)の社員(当時)5人が電気工事会社側の求めに応じ、00年11月ごろから昨年5月ごろまで数回提供したという。関電は、顧客情報の第三者への提供を禁じた社内規定に違反するとして、5人のうち退職した1人を除く4人の処分を検討している。

 関電によると、漏れた情報は、同県内の製材所や製材業者ら162件、幼稚園や保育園20件、板金業者1件の顧客番号や、関電との契約形態、15〜1カ月分の電気使用量と支払金額など。

 情報を受け取った電気工事会社は、業種別のリストを作り、一部は同業者約10社に配ったという。

 情報漏洩に関与した5人はいずれも、当時、窓口で工事の受け付けを担当していた社員だった。この電気工事会社から依頼があると、営業所の端末からホストコンピューターに接続し、紙に打ち出して提供していたらしい。社員らは「頻繁に窓口に来るので、断り切れなかった」などと説明したという。さらに、183件以外に数十件の情報提供に応じたとの証言もあったが、現時点で確認できていないという。

 電気工事会社は、関電の聞き取り調査に、「(顧客情報を)営業に利用したかった」と説明している。関電は、この業者が営業で、基本料金の安い契約に切り替えさせ、それに伴う電気設備の付け替えや保守管理業務の仕事を得ようとするためだったとみている。

 関電は2月20日、「顧客情報が流出している」という匿名の投書を受け、内部調査を進めてきた。坂上要一法務部長は「同様の事態がないか全社的に確認し、再発防止を徹底したい。関与した社員に対しては厳格に対処する」と話している。(05/07 03:07)

http://www.asahi.com/national/update/0507/007.html