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2004年05月05日(水) 10時49分

年金受給、25年加入必要4割が知らず 納付実績通知へ朝日新聞

 「年金受給に最低必要な加入期間は25年」というルールを、国民年金の加入者ですら4割が知らない——。社会保険庁の02年全国調査で、年金制度の最も重要な規則や仕組みがよく知られていない実態が、4日明らかになった。小泉内閣の閣僚や野党党首らの未納・未加入が発覚したばかり。広く国民にも理解が進んでいない問題があることを裏付けた。政府は、年金の全加入者に保険料の納付実績をポイント化して通知する制度を導入するなど基礎知識の普及に本腰を入れる。

 この調査は、社保庁が3年に1度行う「国民年金被保険者実態調査」で、02年秋に約11万人の国民年金加入者を対象に実施し、現在集計中。今回明らかになったのは年金制度の周知度で、全体は7月ごろ公表予定だ。

 国民年金や厚生年金など公的年金では、保険料の支払期間と免除期間が合計で25年に達しないと、原則として年金を受け取れない。02年調査では、この「25年ルール」を「知っていた」と回答した人の割合は60%。前回99年の調査より3ポイント上昇したものの、96年調査よりは8ポイント低かった。「知らない」という人は4割程度で推移している。

 周知が進まない理由について同庁は、20歳になった人を自動的に国民年金に加入させる「職権適用」を95年から開始したことを挙げ、「年金への関心が薄い若年層が増え、調査対象に占める割合が上がったため」と説明している。

 他の仕組みについても、周知度は向上していない。60歳時点で加入期間が25年に足りない場合、69歳まで「任意加入」できる制度について知っている人は、前回と比べ3ポイント上がって32%。年金の支給額を物価動向に応じて変動させる物価スライド制については2ポイント上がって48%、基礎年金の国庫負担については1ポイント減少して42%だった。

 前回より周知度が11ポイント増えて49%と大幅にアップしたのが、加入期間中の病気やけがで障害を負った場合に受給できる障害基礎年金の制度。同庁は、学生が国民年金に任意加入だった時代に、未加入で障害年金を受けられなくなった「学生無年金障害者」の問題が、調査直前の02年夏に大きく報道されたことが、理由とみている。

 年金制度の周知度が低迷しているため、同庁はPRに努めている。広報費として、02年度までの3年間で計約16億5700万円を使い、新聞やテレビなどに広告を出してきたが、大きな効果に結びついていない。

 政府は、加入期間が足りずに受給できない人が増えないように、加入者全員に納付実績を定期的に通知する制度を新設する。保険料を払えばポイントがたまるようにし、加入者がその数字を見れば、将来受け取る年金の見込み額が計算できるようにする計画だ。

 さらに、学校現場での年金教育も重視する考えで、厚生労働省と文部科学省は、社会保障をどう教えるかについて話し合いを開始、年金はその重要項目として位置づけられている。

■国民年金の制度について知っていますか■

(「知っていた」と回答した人の割合)

                      96年 99年 02年

受給に最低25年の加入が必要   68% 57% 60%

60歳から69歳まで任意加入できる —  29% 32%

物価が上昇すれば受給額が増える 57% 46% 48%

国が給付の3分の1を賄っている  32% 43% 42%

障害基礎年金が受け取れる     40% 38% 49%

(05/05 09:36)

http://www.asahi.com/politics/update/0505/002.html