2004年05月05日(水) 15時15分

ハンセン病回復者を宿泊拒否のホテル、営業終える（読売新聞）

　ハンセン病療養所・菊池恵楓（けいふう）園（熊本県合志町）の入所者の宿泊を拒否し、廃業を表明していた熊本県南小国町の「アイレディース宮殿黒川温泉ホテル」が５日午前、最後の宿泊客約６０人を送り出し、営業を終えた。６日に閉館する。

　ホテルの入り口前では、約１０人の従業員が客と記念写真を撮ったり、抱き合ったりして最後を惜しんだ。車に乗り込んだ宿泊客を見送る時には、涙ぐむ女性従業員の姿も見られた。その後、従業員らはホテル内の片付けや、食器の整理などの作業に追われた。

　従業員によると、５日午前、ホテルを経営するアイスター（本社・東京）の江口忠雄社長（５４）がホテルを訪れ、従業員らを慰労したという。報道陣の前には姿を見せなかった。

　３日から２日間宿泊し、１０年ほど前からの常連という広島市中区の男性（６９）は「最後ということで泊まりに来た。本当に残念だ」と話していた。

　また、ホテル従業員で２日結成した労働組合の分会が、営業継続を求める要求書を提出。永野弘行・アイレディース宮殿黒川温泉ホテル分会長（５２）は「解雇は納得がいかない。ホテルの継続を求める」と話した。（読売新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040505-00000204-yom-soci