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2004年05月01日(土) 07時04分

カモ肉偽装エフエス社認める 「あまりに遅すぎる」河北新報

 宮城県河北町のカモ肉加工販売会社「エフエス・かほく」(エフエス社)によるフランスガモ肉産地偽装事件で、県と町は30日、「佐藤文夫社長が輸入肉混入を認めた」として、改善指示を出した。疑惑発覚からすでに2カ月以上が経過。告発証言をした関係者の1人は「現従業員も元従業員も、苦しい思いを強いられてきた。社長が事実を認めるのがあまりに遅すぎて、むなしささえ覚える」と厳しい口調で批判した。

 同日午前10時35分ごろ、エフエス社に県と町、保健所の職員計6人が入り、景品表示法と食品衛生法、日本農林規格(JAS)法に基づく改善指示書を手渡した。
 会社は平常通り業務が進められていたが、係官らが到着すると、事務所のブラインドや作業所のシャッターが下ろされ、ひっそりした雰囲気に。指示書は、佐藤社長の妻の専務が受け取った。従業員らによると、佐藤社長は日曜日も休まず営業活動をしており、この日も東京出張中だったという。

 一方、太田実町長は代表的な町特産品の偽装を社長自らが認めたことについて「とにかく非常に残念」と肩を落とした。
 町は「肉の品質への評価は高く、町が育ててきた物産の価値に変わりはない」として、フランスガモの取り扱いは、事件と切り離して考える方針。2005年3月オープン予定の「道の駅」では、地場産品として活用したい意向だ。
 太田町長は「有限会社の経営に口を挟む権限は、町にはない。県警の捜査が始まっており、今後の詳しいことは、捜査の結果を見守っていく」と述べるにとどまった。

 疑惑告発の封書をきっかけに、重い口を開いた一人は「(告発が)報われた、という思いよりも、なぜ社長はもっと早く言わなかったのか、という憤りの方が強い」と語る。「警察が早く事実を明らかにしてほしい」と、捜査の進展に期待していた。

◎佐藤社長、強制捜査で覚悟か

 河北町のカモ肉加工販売会社「エフエス・かほく」(エフエス社)の佐藤文夫社長が、県と河北町の聞き取り調査でフランスガモ肉の産地偽装を認めたことで、県による行政調査は終了した。今後の実態解明は、県警の捜査に委ねられた。

 2カ月以上にわたり疑惑を否定してきた佐藤社長が、一転して偽装を証言したのは4月20日。同社の社屋内で、県と町の職員を前に「輸入肉を県産フランスガモとして出荷しました」と突然語り始めた。反省の色も見せたという。

 23日には、エフエス社と輸入肉の取引があったとされる県外の業者2社が、これまでの社長の証言と全く異なる取引実態を文書で県に報告した。実際の出荷量を大幅に上回る輸入肉を入荷していた事実が明らかになり、偽装疑惑が決定的になった。県は30日に同社に出した改善指示書の中で、5月21日までに改善状況を報告するよう求めた。

 県と河北町は2月16日、産地偽装疑惑の報道が相次いだことを受け、景品表示法と日本農林規格(JAS)法に基づき立ち入り検査を開始。偽装に使われたとされる輸入アイガモ肉の納入、出荷状況の確認や、佐藤社長を含む関係者からの聞き取りを進めた。

 調査が進むにつれて、「つじつまの合わないこと」(県生活環境部)が次々に発覚。3月には複数の元従業員が偽装を証言したほか、佐藤社長が「輸入肉の出荷先」と証言した業者の中から、取引自体を否定する業者が現れ、疑いは深まるばかりだった。

 一方で佐藤社長は3月末の立ち入り検査でも疑惑を否定し、決定的な裏付けが得られない状態だった。4月14日には県警が不正競争防止法違反容疑で強制捜査に乗り出し、関係資料を押収したため、県などの調査がさらに難航する可能性も取りざたされた。
 ある県関係者は「警察が捜査に入り、もう逃れられないと思ったのではないか」と見ている。
(河北新報)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040501-00000013-khk-toh