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2004年04月25日(日) 22時25分

<情報流出>ジャパネット テレビショッピングを再開毎日新聞

 顧客情報流出問題で営業活動を3月9日から自粛していた通信販売業界大手のジャパネットたかた(本社・長崎県佐世保市)は25日、テレビショッピングを再開した。高田明社長は正午から始まった生放送の衛星放送番組の冒頭で「お客様にご迷惑をかけたことをおわびします。今回の問題を真摯(しんし)に受け止め、今後に生かします」と陳謝した。

 同社によると、問題発覚後、顧客情報などを管理するコンピューター室のビデオカメラによる24時間監視▽社員がコンピューターにアクセスする際に必要な認証番号の管理強化と社員教育徹底——などに取り組み、情報漏えい防止に向けた安全管理体制を整えたという。当初は流出問題の真相解明を待って販売再開の意向だったが「これ以上の自粛は経営への影響が大きく、関係者へも迷惑がかかる」として、再開を決めた。

 この日再開したのは、衛星放送の自社制作番組と収録済みの長崎放送など民放4局。5月上旬までに約70局で番組を再開する予定。数週間は「流出問題の責任を取る」として、高田社長の出演を自粛し、社員が商品を紹介する。ラジオ約60局は26日から、インターネット販売は5月中旬から再開する。

 高田社長によると、自粛期間はテレビショッピング開始10周年記念キャンペーンを展開した直後で、本来なら約100億円の売り上げを見込んでいたという。このため、04年の売上高の目標を約800億円から約700億円に下方修正した。

 高田社長は「お客様の信頼回復が第一。自粛期間中にお客様から励ましの手紙ももらい、感謝の気持ちで涙が出る思いだった」と話した。【川名壮志】

 ◇警察は「微罪すぎて逮捕できない」

 ジャパネットたかたの情報流出問題は、約30万人の名前や性別、住所などのデータが流出していたとみられている。

 同社は同12日に被疑者不詳のまま佐世保署に刑事告訴したが、流出した「情報」そのものの窃盗容疑ではなく、情報が入っていた記録テープの窃盗容疑での告訴だった。

 佐世保署は告訴状は受理せず、関係者に事情を聴いている段階。ある県警幹部は「記録テープがなくなっただけでは、スーパーで商品が盗まれたのと同じ。微罪すぎて逮捕できない。警察にすべてを任せられても困る」とこぼす。

 個人情報関連の法律に詳しい弁護士は「情報を盗んでも、刑法で処罰規定がない。同社の営業を意図的に妨害したり信用を失墜させたりしなければ、偽計業務妨害容疑や信用棄損容疑での立件も難しいのではないか。ただ、盗んだ人物を捜査機関に特定してもらえれば、民事上の争いはできる」と指摘する。

 たかた以外にも、ヤフーBBや三洋信販などで同様の流出が相次いでいるが、現行法では情報保護が不十分なのが実情。

 高田社長は25日に「真相が究明されない中での再開は心苦しいが、今は解明を司直の手に委ねている。捜査は進んでいると信じている」と苦しい胸の内を明かした。

【川名壮志、倉岡一樹】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040426-00000058-mai-soci