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2004年04月23日(金) 03時03分

<牛肉偽装>農水省担当者仲介 浅田容疑者に肉買い取り要請毎日新聞

 大阪府食肉事業協同組合連合会(府肉連)の牛肉偽装事件で、農林水産省の担当者が、府肉連副会長の浅田満容疑者(65)=詐欺容疑で逮捕=に対し、広島県の業者から牛肉を買い取るよう要請していたことが22日、関係者の話でわかった。この口添えで浅田容疑者と業者は18年ぶりに取引し、府肉連は国産に偽装した輸入牛肉94.5トンを交ぜて国側に買い上げ申請した。この業者は、BSE(牛海綿状脳症)の影響で牛肉がさばけないとして農水省に陳情しており、同省が浅田容疑者に協力を求めたとみられる。偽装ルートに農水省が関与していることが明らかになったのは初めて。

 この業者は、広島県呉市の食肉卸「平成フーズ」社長の田尻正司容疑者(56)。熊本市の食肉加工「ミート丸真」社長の瀬戸勇二容疑者(52)から輸入牛肉94.5トンを府肉連側に卸した疑いで逮捕された。府肉連側からは約5000万円が田尻容疑者に支払われ、うち3500万円は瀬戸容疑者に渡った。

 関係者の話によると、国内初のBSE感染牛が01年9月に発見されて以後、田尻容疑者は頻繁に上京し、農水省に「肉が売れず商売できない。輸入肉も買い上げてほしい」と要求。国産牛肉買い上げ事業は、「全国食肉事業協同組合連合会(全肉連)」など業界6団体を通じて買い取る方針だったが、田尻容疑者が代表を務める「広島県同和食肉事業協同組合」は、6団体に所属していなかった。

 同年10月、農水省担当者は浅田容疑者を呼び出し、「田尻(容疑者)を(全肉連の)組合員並みに扱って肉を買ってくれないか」と要請。田尻容疑者が扱う肉の大半は対象外の輸入牛肉だったが、担当者は、買い上げ事業の中で取り扱うことを前提に話を進めたという。

 浅田容疑者は金銭トラブルで田尻容疑者と18年間付き合いがなかったが、01年11月、大阪市内で田尻容疑者と面談、ブロック肉94.5トンを買うことで取引が成立した。浅田容疑者は大阪府警の調べに対し「輸入肉とは思わなかった」と否認しているが、農水省が仲介したことが背景にあるとみられる。

 また、浅田容疑者に要請したとされる農水省の担当者は、毎日新聞の取材に「捜査中なので答える立場にない。ノーコメント」と答えている。

 浅田容疑者は食肉販売大手「ハンナン」(大阪市中央区)の元会長。故・中川一郎元農相と知り合って政界とのつながりを深め、鈴木宗男前衆院議員とは懇意だった。事件当時の農水省畜産部の幹部は「(浅田容疑者は)食肉業界の実力者なので何度も会ったことがある」と話し、同省が日ごろから浅田容疑者を業界の代表者として接していたことを認めている。(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040423-00000145-mai-soci