2004年04月22日(木) 00時00分

オレオレ詐欺で地雷撲滅？記念公演始まる（朝日新聞・）

　オレオレ詐欺が地雷撲滅に役立つ？−−意外なテーマを取り上げる演劇「深い森の中に」が２３〜２５日、高松市で上演される。従軍慰安婦やハンセン病、少年犯罪などの社会問題を題材にしてきた同市の劇団マグダレーナの、創立２０周年記念公演だ。
　役者のオーディションに募集した男女５人が、山の中に集められた。ところが、集めた男は彼らにオレオレ詐欺の片棒を担がせようとしていた。しかも、金をだまし取って地雷撲滅に役立てようと企てる。男には地雷を恨む過去があったのだが−−というストーリー。
　オレオレ詐欺という犯罪と平和活動の組み合わせは、作・演出の大西恵さん（６４）のアイデア。「ここ半年間で、最も気になったことを題材にした。詐欺という悪の世界の人間を、いつしか観客が応援したくなるように役作りや演出を進めた」という。
　オレオレ詐欺は「離れていればいるほど、孫や子どもに何かしてあげたいという老人の心理をついた犯罪。日本社会の家族問題がいっぱい詰まっている」。そして、テレビのドキュメンタリー番組で衝撃を受けた地雷の問題は「地雷を掘り起こすのに千年以上かかると言われながら、どこかでまた新たな地雷が埋められている。救いがないと思った」。
　この二つを同時に訴えられないかと、昨年暮れから２カ月で台本を書き上げ、１月からけいこを積んできた。
　公演は、高松市通町のあかつきホールで。２３日午後７時、２４日午後２時と同７時、２５日午後２時と同６時半の計５回。前売りチケットは大人１５００円（当日１８００円）、大学生１３００円（同１５００円）。高校生以下は前売り、当日とも１千円。購入の問い合わせは大塚さん（０８７・８３４・７３９２）へ。

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http://mytown.asahi.com/kagawa/news01.asp?kiji=6458