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2004年04月21日(水) 00時00分

「内職商法」被害が続出盛岡市の主婦が見た募集チラシと、業者から届いた代理店契約書朝日新聞・

  「チラシを配るだけで高収入確実」だと、主婦らに代理店委託契約を結ばせ、高額商品を買わせる、いわゆる「内職商法」の被害に遭う人が続発している。2月には47都道府県の主婦ら約9千人をだましたとみられる、仙台市の通信販売会社経営者らが、宮城県警に摘発されたが、同様の手口で別の業者にだまされたという相談も、後を絶たない。盛岡市消費生活センターは「摘発は氷山の一角。高収入を揚げて近寄ってくる業者は、絶対信用してはいけない」と注意を呼びかけている。

  盛岡市消費生活センターには、昨年1年間で100件あまり、3月には計10件、内職商法関連の相談が寄せられている。
  
  盛岡市の主婦(40)は昨年5月、「空いた時間でポスティング!チラシ配りで確実、高収入」と書かれたチラシを見て、子どもの学費の足しになればと、仙台市の業者に電話をした。

  すると「担当者がいないので、こちらから連絡する」と言われ、住所と電話番号を教えてしまった。これは、相手の連絡先を、確実に知るための業者側の手口だった。

 5分後、年配の女性の声で電話がかかった。「暇な時間に健康食品のチラシを配るだけ。商品が売れれば収入に」「多い人は月40万円稼ぐ」「学校の先生も、副業でやっている」。明るく、力強い口調で説明され、電話は約1時間に及んだ。巧みな話術につい、問われるままに家族構成なども話してしまったと、この主婦は悔やんだ。

 主婦がその気になったと知ると、業者の女性は「チラシ代や手数料など経費がかかる。経費代わりに、空気清浄機を買ってほしい」と、持ちかけてきた。

  値段を聞くと、約66万円と高額。それを上回る収入が期待できるのかとたずねたら、「会社も、私も、あなたをバックアップします。一緒に頑張りましょう」などと言われ、10日後には、毎月1万8千円を返済する、クレジット契約書に印を押すはめになった。

  主婦は、2千枚のチラシを1カ月で配った。しかし、売れたのは健康食品1個。売り上げは4千円たらずだった。

  電話で「やめたい」と伝えると担当者は、勧誘の時とは対照的な強い口調で「途中でやめるなんてできません。口コミでも何でも売ればいい」ろ、言い放ったという。

  困った主婦は、市消費生活センターのアドバイスを受け、空気清浄機を業者に送り返した。代理店契約を結んでから20日以内だったため、クーリングオフを使ってクレジット契約を解除できた。でも、業者からはその後も数回、脅迫めいた電話がかかって来たという。主婦は、「私の個人情報を持っていると思うと、今でも怖い」と、気が気ではない。

 同センターの、吉田直美さんは「清浄機を売る形になっていて、巧妙で悪質な手口だ。自分の身は、自分で守るしかない」と、注意を呼びかけている。(4/21)

http://mytown.asahi.com/iwate/news01.asp?kiji=5391