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2004年04月14日(水) 03時06分

<健康被害>薬の副作用で胎児死亡 来月初めにも救済申請毎日新聞

 大阪府堺市の女性が、薬の副作用で胎児が死亡する健康被害があったとして、独立行政法人「医薬品医療機器総合機構」(東京都千代田区)に対し、来月初めにも救済申請する。民法は胎児の権利を認めていないが、医療過誤の民事訴訟では胎児死亡の場合、親の期待権の侵害として慰謝料が支払われるケースがある。胎児をめぐる申請は前例がなく、是非を決める厚生労働省の判断が注目される。

 女性は出産予定日を間近に控えた昨年5月、子宮口を柔らかくするホルモン剤を投与され、その直後に死産した。

 このホルモン剤は、医師らで作る研究団体などが「薬として有効性がないだけでなく、胎児への影響も懸念される」として、安全性の再検討などを厚労省に要望していた。先進国では日本でしか使われていない。

 女性は「おなかの中で元気に動き回っていた胎児は親の一部ではなく、立派な一人の人間。新生児と同じく救済される権利があるはず」と訴える。

 同機構は「医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構」などが前身で、今月発足。薬の副作用による死亡や健康被害に対し、医療費や障害年金、遺族一時金を給付する。申請を受け付けると、厚労相に判定を申し出て、認められれば救済する。

 新生児が副作用によって死亡したと判断されると、遺族一時金が約700万円支給されるが、胎児は想定されていないという。

 市民団体「陣痛促進剤による被害を考える会」(愛媛県今治市)の出元明美代表は「救済制度は薬の副作用による被害者が対象。胎児だけ救済しないのはおかしい」と指摘。同会は今後、胎児が被害にあったケースについても親に申請するよう呼びかけていくという。

 厚労省医薬品副作用被害対策室は「現行の民法では難しい面はあるが、親の気持ちも分かる。申請内容を見て判断したい」と話している。

 救済制度は80年5月から始まった。02年度は過去最高の629件の請求があり、支給件数は352件で、支給額は約10億5600万円。費用は医薬品製造業者の拠出金などで賄っている。【玉木達也】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040414-00000149-mai-soci