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2004年04月07日(水) 06時59分

三菱の研究所、「ハブ試験」の実施装う読売新聞

 三菱ふそうトラック・バス(昨年1月に三菱自動車から分社)製大型車の車軸周辺部品「ハブ」の欠陥問題で、同社の喜連川(きつれがわ)研究所(栃木県喜連川町)が2002年8月、国土交通省の調査を受けた際、実際にはほとんど行っていなかったハブの強度試験を、実施しているかのように装っていた疑いがあることが、6日わかった。

 この時点で三菱側はハブの欠陥を示すデータを把握しており、国交省では、こうした説明についても、道路運送車両法違反(虚偽報告)にあたる可能性が高いとみて調べている。

 喜連川研究所は約14キロのテストコースなどを備える同社の試験施設。国交省は同年6月、同社の品質管理部門などに対する立ち入り検査を実施した後、ハブの強度試験が適切に行われているかどうかを確認するため、研究所を訪れて検査状況を調べた。

 この際、三菱側の技術者らは、ハブに横向きの力がかかった時の寿命を測定する「横負荷耐久試験」や、実車にハブを組み込んで走行時の強度を調べる実車試験などについて、試験装置を動かしたり、走行する敷地を実際に見せたりして係官に詳しく説明。「こうした試験でハブの強度を調べている」などと説明した。そのうえで、2002年1月に横浜市で起きた母子死傷事故などハブ破断によるタイヤ脱落事故について、当初から主張してきた「ユーザーの整備不良が原因」とする資料を改めて提出したという。

 しかし、同社は、1988年以降、設計時に、ハブ開発に伴う実車試験や研究室内での耐久試験などを、ともにほとんど行っていなかったことが、その後の捜査当局の押収資料などから判明。喜連川研究所の技術者も、社内の文書で強度試験について「おざなりにしていた」と指摘していた。

 同社は研究所への調査の約5か月前、自主回収したハブの29%に微小な亀裂が見つかったという解析データを自社の検査で把握。2002年6月の立ち入り検査の際には、工場内のパソコンに入っていたデータの一部を係官に発見され、担当幹部が「最終結果が出ていない」などと虚偽の説明をして、解析データ全体の提出をしていなかった。

 国交省では、解析データを提出していなかったことに加えて、研究所でも強度試験を行っていたように見せかけていた点について問題視。

 ハブの強度について、三菱側の虚偽報告が広く行われていた疑いもあるとみている。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040407-00000001-yom-soci