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2004年04月06日(火) 18時51分

北朝鮮産ハタハタ、県内市場から姿消す−−粗悪品、県産回復で役割終え /秋田毎日新聞

 ハタハタの需要を20年以上も支えた北朝鮮産の輸入物が、03年度漁期(04年1月まで)に県内市場から消えた。昨年8月の食料衛生法改正で秋田港での入荷が不可能になった一方、鉛片や小石入りの粗悪品の流通や、同国に対する国民感情の悪化から売り上げが急落。県産の漁獲量は着実に回復し、「北朝鮮産は歴史的な役割を終えた」との声も聞かれる。
 県内のハタハタ漁獲量は83年に1000トンを切り、禁漁前年の91年は71トンまで落ち込んだ。禁漁後の県内需要は3000〜4000トンと言われ不足分は生鮮用を北海道、鳥取など県外産と韓国産で補い、最も安い北朝鮮産が加工用に回った。希少価値から県産の価格は急騰し、北朝鮮産の約8割を占めた冷凍では、県産の3分の1から半値ほどだった。
 北朝鮮産の輸入を二十数年続けた首都圏の貿易会社によると、秋田港経由の同国産の魚類輸入の大部分をハタハタが占める。同国産の県内年間需要は平均1000〜1500トンで、禁漁期(92年9月〜95年9月)には総需要の大半をまかなった。
 秋田港の北朝鮮からの魚類輸入は、98年に1170トンだったが鉛片が混入する問題が発覚し、99年は692トン、02年は301トンと減少。03年8月の食品衛生法改正で、北朝鮮産ハタハタの輸入港が制限され、秋田港経由の輸入は途絶えた。
 03年度漁期のハタハタ漁獲量は3014・7トン。78年以来25年ぶりに3000トンを超え、単価は解禁した95年(1キロ3074円)の約1割程度まで下がった。秋田中央卸売市場の卸業者、秋田丸魚と秋田丸水は「今年は県産だけで需要は補えた。価格も手ごろになり、スシや塩漬けなど加工原料としての販売も例年より増えた」と話す。
 また、禁漁期はすべて北朝鮮産を使用した秋田市内のハタハタずし加工業者は「北朝鮮産は鉛が混入するなど極力使いたくなかったが、ハタハタの食文化を継承するため使用した。今は安全面や国民感情から消費者に拒否反応がある。地産地消の広がりもあり、(北朝鮮産が消えたのは)当然の成り行きではないか」と話す。【野口武則】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040406-00000001-mai-l05