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2004年04月05日(月) 14時58分

ヤミ金融の旧五菱会系、おれおれ詐欺で傘下20人逮捕読売新聞

 指定暴力団山口組旧五菱(ごりょう)会系グループによるヤミ金融事件に絡み、同グループの傘下で働いていた店長や従業員らのうち、少なくとも20人が「おれおれ詐欺」の疑いで警視庁に逮捕されていたことが分かった。

 同グループがおれおれ詐欺を始めたきっかけは、偶然かけた督促の電話を、孫からの電話と勘違いしたお年寄りがいたことだったという。ヤミ金融に対する取り締まりの強化を受け、その後、組織的に犯行を拡大させていったとみられる。

 ヤミ金融業者が組織的におれおれ詐欺に移行している実態が裏付けられたのは初めて。

 旧五菱会系グループによるヤミ金融事件では、警視庁や大阪府警などが2002年末以降、傘下の「FC」グループや「TO」グループなど6グループの29店舗を摘発、店長ら63人を逮捕した。これで旧五菱会系グループ傘下のヤミ金融業者は壊滅状態となったが、摘発強化とほぼ同時期におれおれ詐欺の被害が急増した。

 これまでの調べによると、同グループの中で最初におれおれ詐欺に“転業”したのは、2003年5月に詐欺容疑で逮捕された「FC」グループの7人だったとみられる。7人は東京・墨田区などでヤミ金融業を営んでいたが、同年4月上旬ごろ、メンバーの1人が返済の督促電話で「おれ、おれ」と話しかけたところ、お年寄りが孫と勘違いして現金を振り込んだことから、おれおれ詐欺を思いついたという。犯行に使う架空口座やプリペイド式携帯電話は、ヤミ金融で使っていたものを転用していた。

 「TO」グループでも、出資法違反容疑での摘発を逃れた店長らが、2003年5月ごろから一斉におれおれ詐欺に移行したとみられ、少なくとも4人が詐欺容疑で逮捕されている。

 今年2月、おれおれ詐欺のグループが事務所などとして使っていた新宿区や豊島区のマンションを警視庁が捜索した際、メンバーが捜査員ともみ合っているスキに、別のメンバーが、携帯電話を折り曲げて壊したり、書類をシュレッダーで破棄するなどの証拠隠滅工作を行った。この手口は、旧五菱会系グループが傘下のヤミ金融業者に配っていた「対警察マニュアル」に書かれた内容通りだった。その後の調べで、逮捕されたメンバーのうち2人がTOグループの元幹部であることが判明した。

 TOグループの店長らは、都内の飲食店に定期的に集まっては、取り立て方法や警察の捜査状況などについて情報交換していたが、ヤミ金融を廃業した後もこの会合を続け、おれおれ詐欺のノウハウを共有していたとみられている。

 警視庁が2003年3月から今年2月までの1年間におれおれ詐欺で逮捕した容疑者は計82人で、20人は、旧五菱会系グループのメンバーだったことが確認された。同庁では、さらに約15人が別系統のヤミ金融業者だったことを突き止めており、ほかにも転身組がいる可能性があるとみて捜査している。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040405-00000406-yom-soci