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2004年04月02日(金) 08時54分

三菱「ハブ」破断、磨耗数値偽り報告か…99年の事故読売新聞

 三菱ふそうトラック・バス(昨年1月、三菱自動車から分社)製大型車の車軸周辺部品「ハブ」の欠陥問題で、1999年に石川県内で起きたトレーラーのタイヤ脱落事故について、ハブを検査した三菱側がユーザーの運送会社には「最大0・65ミリの摩耗があった」と伝えながら、国土交通省には「最大0・98ミリ」と記載した報告書を提出していたことが1日、分かった。

 摩耗が小さい場合はハブ破断の原因として「強度不足」などの欠陥が疑われるが、大きくなるほど「整備不良」に傾く。国交省は、欠陥の指摘を恐れて数値を改変した可能性もあるとみて、道路運送車両法違反(虚偽報告)による告発に向けて、近く三菱ふそう幹部らから事情を聞く。

 問題の事故は、99年11月、石川県の国道で起きた。富山県の運送会社のトレーラーが走行中、右前輪のハブが突然破断して、タイヤがはじけ飛んだ。

 ハブは地元の系列販売会社を通じて当時の三菱自動車本社に送られ、検査が行われた。三菱側は約3か月後、「最大0・65ミリの摩耗を確認した」と文書で回答。摩耗部分を示す写真も添えられていた。運送会社の整備士が事故直後に測った摩耗も0・6ミリで、これに近い数値だった。

 ところが、2002年1月に起きた横浜市の母子死傷事故後、国交省が過去の同様事故を把握するため三菱側に提出を求めた報告書では、石川県の事故のハブは、摩耗が「最大0・98ミリ」となっていた。

 報告書を国交省に提出した前後、三菱側は「タイヤ脱落の未然防止のため」とユーザーに呼びかけ、ハブの無償交換を開始。交換の基準として摩耗を「0・8ミリ以上」とした。

 国交省関係者によると、最大0・65ミリの摩耗では、ハブが突如破断するとは考えにくく、同省にそのまま報告すれば、ハブの「強度不足」を疑われるケースだった。

 三菱側は3月24日のリコール(回収、無償修理)で、ハブの設計に問題があり、強度不足が破断原因と欠陥を認めた。しかし、それまでは「ボルトの取り付けなどの問題でハブに摩耗が生じ、一部に無理な力がかかって破断する。整備不良が原因」との説明を繰り返していた。

 国交省は三菱側から報告された他の50件余りのタイヤ脱落事故についても、数値を改変した虚偽報告がないか調べる方針。この問題について、三菱ふそう本社は「押収された資料もあり、現段階では答えられない」としている。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040402-00000301-yom-soci