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2004年04月02日(金) 07時05分

カキ偽装2社を書類送検 景表法違反の疑い 石巻署河北新報

 宮城県内のカキ加工業者が、韓国産生ガキを宮城産と偽って出荷した問題をめぐり、県が景品表示法違反の疑いで加工業者2社と両社の社長を告発した事件で、石巻署は1日、2社と社長を景表法違反容疑で仙台地検に書類送致した。

 書類送検されたのは、いずれも石巻市に本社があるカキ仲買大手「住吉屋」、関連会社「マルスミ水産食品」と両社の猪又武社長(54)。

 調べでは、両社は2002年12月、県が受け入れを求めた立ち入り検査を拒否。住吉屋はそれまでの調査の過程で「韓国産カキを扱った事実はない」などと虚偽の回答をした疑い。

 この問題は02年春に表面化し、宮城県が流通実態の調査に乗り出した。その結果、01年9月から02年3月までの間に、両社が少なくとも約103トンの韓国産カキを仕入れ、産地を偽装して販売した疑いが浮かんだため、県は景表法に基づく立ち入り検査の受け入れを求めた。

 猪又社長は一貫して容疑を否認している。
 石巻署は03年2月に県の告発状を受理。県内のカキ業界関係者らから事情を聴く一方、両社の仕入れルートを確認するなどして告発事実の裏付けを進めてきた。

 書類送検されたことについて、猪又社長は「立ち入り検査を拒否していないし、偽装もしていない。書類送検は唐突な印象だが、地検の判断を待つしかない」と話している。

◎ようやくけじめ業界安ど 再生に弾み
 宮城産カキの産地偽装問題で、カキ仲買大手「住吉屋」と関連会社の「マルスミ水産食品」(ともに石巻市)、両社の猪又武社長(54)が景品表示法違反容疑で1日、書類送検されたことについて、宮城のカキ業界では「ようやく偽装問題に最終的なけじめがつく」と受け止める向きが多い。

 2002年3月に偽装問題が発覚し2年余り。業界は失地ばん回に向けた努力を積み重ね、一定の信頼を取り戻した。が、「住吉屋の件はのど仏に刺さった小骨」(石巻市のカキ仲買業者)と再生への足かせになっていただけに、早期決着を望む声も高まっていた。

 宮城産カキを販売する都内の水産会社は「今回の事件が解決すれば、信頼回復は確かなものになるはずだ」とみている。宮城県かき出荷組合連合会の内海春寿理事長は「偽装問題の第2の区切りだ。1日も早い決着を望みたい」と言う。

 景表法違反の罪に問われても罰金は最高50万円だが、住吉屋は宮城県の告発を受けて以降、取引量が激減するなどしており、食品業界を舞台にした事件の怖さを見せつけた。

 処分によっては、宮城県漁連は宮城産カキの入札から住吉屋を一定期間排除することも想定される。

 県漁連の木村稔会長は「住吉屋側が受けた社会的な制裁も考慮し慎重に検討したい」と語る。住吉屋を告発した浅野史郎知事は「検察の判断を見守るしかないが、しっかりとけじめをつけてもらいたい」と話している。
(河北新報)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040402-00000005-khk-toh