悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2004年04月01日(木) 00時00分

「これはエープリルフールの記事ではありません」とまずお断り… 東京新聞


 「これはエープリルフールの記事ではありません」とまずお断りを入れておこう。最近は突拍子もない判決や決定が多いのでとまどうことばかりだったが、今回はまっとうだった▼田中真紀子元外相の長女の記事で、東京地裁が週刊文春に出した出版差し止めの仮処分について、東京高裁が三十一日、取り消し決定をした。文春側に軍配が上がった。理由は「表現の自由は、民主主義体制の存立と健全な発展のために必要な、憲法上最も尊重されなければならない権利である」と明快だ▼一裁判官の決定が七十万部の週刊誌の発行を左右するという異常事態に、戦前の検閲を思わせるとの批判もあった。週刊文春側は次の号で大反論を展開、高裁の判断が待たれていた▼メディアが扱う話題はニュースからスキャンダル、エログロ、ナンセンスさまざまあるが、表現の自由はそれら灰色領域を含めて守られねばならないと思っている▼かつて「ノーパンしゃぶしゃぶ」というすごい見出しで、銀行による大蔵(当時)接待の乱脈ぶりが写真週刊誌にすっぱ抜かれたことがあった。しかしそれが「護送船団方式」と呼ばれた大蔵省による銀行への手厚い保護行政の内実を暴露するきっかけともなった。霞が関の信用は失墜し、今日の金融崩壊を予見させるものだった▼汚職や金融犯罪にセックススキャンダルはつきものというのは常識。それが捜査の端緒になることが多く、新聞記者も目が離せない。ただ、今回の文春の記事が「表現の自由」と胸を張るほどの内容だったかどうかは別問題である。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/hissen/20040401/col_____hissen__000.shtml