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2004年04月01日(木) 17時37分

回転ドア事故、全国で140件超 撤去検討の動き広がる朝日新聞

 東京の「六本木ヒルズ」で溝川涼君(6)が自動回転ドアに挟まれて死亡した事故の前にも、ドアに人が挟まれたり、転んだりする事故が、全国で少なくとも140件以上起きていたことが朝日新聞社の調べでわかった。東京・新宿のオフィスビル「新宿アイランド」で95年以降に約20件、福岡市の「シーホークホテル&リゾート」では19件あった。涼君の事故後、多くの施設で回転ドアの使用を見合わせているが、事故防止の決め手がなく、撤去検討の動きも広がっている。

 警察・消防や自治体のほか、主なビル、ホテルなどに問い合わせた。死亡事故後、回転ドアの設置施設の有無や事故例の調査を始めた自治体もあるが、届け出の基準がないことなどから全体像の把握は難しいという。

 涼君が亡くなった「六本木ヒルズ」(32件)をはじめ、新宿区の「東京オペラシティ」(14件)や横浜市の「横浜ランドマークタワー」(9件)、千代田区の「丸ビル」(3件)での事故もすでに明らかになっている。

 新たに判明した施設のうち「新宿アイランド」は、95年2月に現在の14台を設置。今年3月上旬、回転ドアから出ようとした女性が、後ろから来たドアに当たって倒れ、頭などを打って救急車で運ばれた。事故は年に1〜3件あったという。

 「シーホークホテル&リゾート」は95年4月に開業。96年8月に当時9歳の女児が、支柱とドアのすき間に左手を挟まれすり傷を負った。02年8月には8歳男児が右手を挟まれ、中指の骨にひびが入った。ドアはオランダ製だった。

 事故に遭うのは子どもだけでなく、お年寄りも多い。大阪市の商業ビル「大阪ワールドトレードセンタービルディング」では4件の事故が確認された。99年6月、80歳の女性が背後からのドアに押されて転び、腰の骨が折れた。

 福井県勝山市の福井社会保険病院では00年11月、80代の女性がドアから外へ出るとき、後ろから来たドアに尻などを押されて転び、左足の太ももの骨にひびが入った。

 東京や大阪などの施設に計19台のドアを設けている三菱地所は「100%安全が戻るとは思えない」として、撤去の検討を明らかにしている。不動産ディベロッパーの森トラスト(東京)も、運営するビルの一部の回転ドア34台を撤去する方針だ。大手スーパーのダイエーは兵庫県西宮市や福島県いわき市、青森県弘前市の店舗で5月末をめどに撤去する方向で検討している。

     ◇

 自動回転ドアの主なメーカーは6社あり、この6社製の回転ドアが全国に計625台ある。

(04/01 17:35)

http://www.asahi.com/national/update/0401/022.html