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2004年03月30日(火) 00時00分

「100円ショップ」消える?4月から「総額表示」「105円ショップ」では語呂悪いし…ZAKZAK


100円ショップ(上からキャン・ドゥ、ショップ99、ザ・ダイソー) 100円ショップ、消滅?! 4月1日から「消費税込みの総額表示」が義務付けられることになり、“100円商品”が姿を消すことになったのだ。一部の100円ショップでは、200円や300円の商品が定番として売られており、デフレ時代の寵児が今、大きく変わろうとしている。激変する100円ショップの舞台ウラは−。

 消費者に対する「値札」や「広告」などで消費税を含んだ「総額表示」の義務付けでは、チラシや店頭での“お値打ち価格”のアピールが生命線である安売り店などが頭をひねってきた。

 消費税5%加算前の本体価格であってこそ、「1980円」や「2900円」の“大台割れ”値札が生きてくるが、税込みの「2079円」や「3045円」では、割り高感を与えてしまう。このため、各業者は、本体の値下げを含め表示方法を模索してきた。

 さらに、頭を悩ませていたのが100円ショップ。業態の呼称として定着しているし、“105円ショップ”では語呂が悪い。では、どういう価格表示にするのか。

 最大手『大創産業』(ザ・ダイソー)は、本体価格100円と税込みの105円を併記する。もっとも、ほとんどの商品がワンプライス=100円のため、「本体価格が100円以外の商品にのみ値札を付けます。また、張り紙などで『値札のない商品は〈本体100円・税込み105円〉』という告知をする」(広報)。

 同社は「実質値下げして、税込み100円を検討しないでもなかったのですが、消費税が7%、10%となったときにも生き残っていくには…と」と“背に腹”で“名実一致”を見送った。

 だが、100円ショップを通じて共通する「併記」方式について、総額表示義務付けを推進した財務省は「まぎらわしい」と問題視する。導入目的の建前を「支払う額が一目で分かる」としているためだが、公正取引委員会は「景品表示法上、ただちに違反にならない」(消費者取引課)。

 社名にも“価格”をうたう『九九プラス』(ショップ99)も〈99円(税込み104円)〉と表示する。ただ、正確には103円95銭になるため、1円以下は切り捨て方針で、同社はレジで103円しか受け取らない。確かに、ややこしい。

 公取委は「お勧めするわけではないが、〈税込み103円95銭〉と明示するなど誤解を生じさせなければいい。それは、100円ショップという呼称も同様。消費者が、100円ショップに行けば105円で売っていると共通して理解していれば問題ない」と話す。

 ところで、大創では「実は、2年前に200円商品を導入したとき、100円ショップをうたうのはヘンかなという話が出て、それまでの〈100円プラザ〉〈百円館〉という店名を廃止した。コストの問題で、まだ、看板が残っている店はありますが…」と話す。

 脱100円ショップの真意について、同社は「(矢野博丈)社長が常々申しているのは『仕方なく』です。100円の限界を超えて品ぞろえをしたい。今は300円のワイシャツやDVDも置いています。今後も新しい価格帯の商品を開発していくつもりで、100円にこだわるのではなく、〈低価格で品ぞろえ豊富なバラエティーショップ〉という業態です」。

 今回の“総額表示”騒動で、100円ショップとしてのアイデンティティーを見つめ直した各社が同じことを考えれば、100円ショップが名実ともに消え去る可能性だってありそうだ。

ZAKZAK 2004/03/30

http://www.zakzak.co.jp/top/t-2004_03/1t2004033017.html