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2004年03月29日(月) 22時31分

振り込み本当に大丈夫? おれおれ詐欺、滋賀で急増京都新聞

 息子や孫になりすまして現金をだまし取る「おれおれ詐欺」事件が、滋賀県内で急増している。今年はすでに未遂を含め38件発生し、昨年1年間の発生件数の半数を超えた。夫に扮した犯人の演技力に妻がだまされたり「警察官」が登場するなど手口は巧妙化。架空名義の携帯電話などの「おれおれ詐欺セット」がインターネット上で売買されていたことも判明し、県警は犯行の実態解明を急ぐとともに、住民への広報活動を強化している。
 「携帯の電話番号が変わったから連絡しておく」。今年2月、滋賀県坂田郡内の民家に電話がかかった。孫からの電話と信じた祖母(80)は「Aか?」と返答した。5日後、犯人はAを名乗って祖母に「友達の借金の保証人になり、返済しなければならない」と電話し、計660万円をだまし取った。
 3月上旬には大津市内の女性(28)宅に大津署交通課員を名乗る男から「旦那さんが追突事故を起こした。相手の車に同乗していた妊婦の至急手術が必要」と電話があった。続いて、女性の「夫」が泣きじゃくりながら電話口に出て、さらに妊婦の夫役も登場。女性は100万円を指定口座に振り込んだ。
 県内では、昨年5月から現在までに計106件の被害が確認され、特に今年1月には20件、2月と3月は9件ずつ発生している。
 警察庁によると、被害は昨年春から増え始め、全国の発生件数は昨年1年間で6504件、被害額は約43億1800万円にのぼった。一方、昨年の検挙件数は179件で、全発生件数の2・8%に過ぎない。
 同庁捜査二課は「犯人が利用する携帯電話や振り込みに指定する口座の名義は、転売された他人名義や架空名義のため、実行犯の割り出しが困難」と捜査の難しさを説明する。
 滋賀県警は今年2月、おれおれ詐欺で使われた銀行口座を開設した神奈川県の男と、その口座を買い取った栃木県の男を詐欺容疑などで逮捕した。栃木県の男も、口座を転売していたという。
 3月23日までに県警が逮捕した関東のグループは、おれおれ詐欺に使われる架空名義の携帯電話や通帳、印鑑、キャッシュカードを一セット数万円で、インターネットで月40−50組販売したと供述した。
 県警は「このグループは販売専門で、実行犯は別にいる」とみて、犯行セットの販売先の特定などを進め、他府県警察との連携を強化して実態解明を急いでいる。
 一方で、被害防止のため住民への広報活動にも力を入れている。大津署はポスター200枚を作成して金融機関の出入口などに掲示し、振り込みに訪れた客に「振り込み本当に大丈夫?」と警戒を呼び掛ている。
 県警捜査二課は「不審な電話がかかってきたら、安易に家族の名前を告げたりせず、送金する前にも必ず家族などに確認や相談をしてほしい」と話している。(京都新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040329-00000092-kyt-l25