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2004年03月24日(水) 15時24分

三菱ふそうタイヤ脱落、92年に欠陥認識か読売新聞

 三菱ふそうトラック・バス(昨年1月に三菱自動車から分社)の大型車でタイヤ脱落事故が多発した問題で、同社は最初に事故が発生した1992年の段階で既に「重大な欠陥」を認識していた疑いがあることが、内部文書などでわかった。

 同社は、この事故を設計上の欠陥などを意味する「輪切り事故」と呼び、その対策としてタイヤと車軸を結ぶ「ハブ」の設計を変更していた。同様の資料を押収した神奈川県警は、同社が当初から特殊な事故として危機感を持っていたことを裏付ける事実とみて調べている。

 東京都内で92年に起きた初のタイヤ脱落事故の大型車が装着していたのは、83年以降に同社が開発したA—F型のハブのうち、2番目に製造されたB型だった。

 同社のハブを巡っては、2件目の事故後の94年11月、当時の三菱自のトラック・バス開発本部幹部らが、主要構造部分の設計や対策を検討する「大型車ホイル・ハブ・ボルト・ナット会議」を開いていたことが既に明らかになっている。

 しかし、同社の内部文書には、それ以前の93年3月、C型(B型を一部改良して89年に開発)からD型にハブを設計変更した理由について、「B型ハブの92年の輪切り事故対策」と記載されていたことが新たにわかった。

 関係者によると、「輪切り」は同社の造語で、帽子のような形をしたハブが、回転方向に沿って、つばの根元から一気に切断される状態を示した言葉として使われていた。金属構造物が破損する場合、衝突事故など強い衝撃により起こる「急進破壊」と、設計上の欠陥などによる「疲労破壊」があるが、「輪切り」はその破断面の形状などから、疲労破壊だったとみられている。自動車工学の専門家は「ハブの破損は設計ミスと考えるのが技術者の常識。『輪切り』という言葉は聞いたことがない」と指摘する。

 D型ハブではその後、横浜市の母子3人死傷事故を含め計37件のタイヤ脱落事故が発生。県警は、同社が初期の段階から事故の特殊性や危険性を認識しながら、十分な安全対策をとらなかったことが、その後の重大事故につながったとみて同社関係者から引き続き事情を聞いている。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040324-00000006-yom-soci