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2004年03月23日(火) 15時00分

帝王切開ミスで出血性ショック死…町立軽井沢病院読売新聞

 長野県軽井沢町の町立軽井沢病院で昨年10月、同町内の女性(32)が帝王切開で男児を出産後、出血性ショックで死亡していたことが23日、わかった。

 女性は出産後、集中治療室(ICU)に入っていたが、担当医は処置を看護師に任せて帰宅しており、遺族側は「出血に気付かず放置したミスが原因」として担当医を業務上過失致死容疑で刑事告発するほか、町側に損害賠償請求訴訟を起こす考え。

 遺族と病院によると、女性は昨年9月24日に入院。10月2日ごろから陣痛が始まったが、自然分べんで生まれなかったため、同4日夕に帝王切開で出産した。出産後、ICUに入ったが、担当医は、頻脈や低血圧を抑える翌朝までの処置を看護師らに指示した後、帰宅した。病院側は「母子ともに健康」と家族に伝えたという。

 その後同日夜に女性の容体が急変、看護師の連絡で担当医が自宅から駆け付けたが、女性はすでに心臓が停止していた。担当医は心臓マッサージなどでいったん蘇生(そせい)させた後、女性を同県臼田(うすだ)町の別の病院に搬送したが、女性は5日未明に死亡した。同病院で病理解剖したところ、女性の死因は、子宮の縫合部分からの大量出血に伴う出血性ショックだった。

 同病院の宮尾陽一院長は「死因となった子宮からの出血を見落としたため、救命に至らなかった」と病院側のミスを認め、「ICUに医師がいなかったなど、病院の体制も見直したい」と話している。軽井沢町の佐藤雅義町長は「誠意をもって対応したい」と話している。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040323-00000005-yom-soci