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2004年03月22日(月) 00時00分

おやまあ!ありまあ!有馬温泉も“塩素汚染”代表の外湯「金の湯」、源泉そのまま「かけ流し」なのにZAKZAK


関西の名湯、有馬温泉(神戸市北区)を代表する外湯「金の湯」 関西の名湯、有馬温泉(神戸市北区)を代表する外湯「金の湯」が平成14年12月のオープン当時から、浴槽の湯に塩素を投入していることが22日、わかった。「金の湯」は源泉の湯をそのまま利用する「かけ流し温泉」だが、管理する神戸市は「安全面で万全を期す」(観光交流課)との理由で塩素消毒しており、専門家の間では「泉質の変化で湯治効果が落ちる可能性がある」との指摘も。道後温泉本館(愛媛県松山市)も昨年10月から、塩素消毒しており、全国の温泉の“塩素汚染”は進む一方だ。

 「金の湯」は赤褐色の含鉄ナトリウム塩化物強塩泉という有馬温泉の代表的な泉質を楽しめるのが特徴。13年8月に閉鎖された、同じ泉質の有馬温泉会館の後継の外湯として、神戸市が約4億2000万円をかけて建設した。効能として神経痛や筋肉痛、関節痛などを挙げており、平均1日約1000人、多い日には約3000人が入場している。

 有馬温泉の外湯には、神戸市が同様に管理している無色透明の炭酸・ラジウム泉「銀の湯」(13年9月オープン)もある。「銀の湯」は利用済みの湯を塩素消毒などで再利用する循環風呂。「金の湯」については湯に鉄分が多く、パイプなどが詰まりやすいこともあって湯を循環できず、かけ流し方式を採用している。

 神戸市は「金の湯」がかけ流し温泉にもかかわらず、塩素消毒していることについて「入場者数が多く、レジオネラ菌の感染事故防止の観点から、かけ流しの金の湯についても塩素消毒が必要と判断した」(同)と説明。塩素濃度が0.2−0.4PPMに維持できるように塩素を自動投入しているという。塩素投入について館内掲示などの情報開示はしていない。

 有馬温泉会館当時は塩素消毒をしていなかった。神戸市は「有馬温泉会館の当時とは違って衛生管理について関心度が高くなっている」(観光交流課)と説明している。

 「温泉博士」として知られる松田忠徳・札幌国際大学教授は「循環風呂の『銀の湯』が塩素消毒していることから、『金の湯』も塩素消毒しないと整合性がとれないという役所的な発想で実施しているのだろう。有馬の旅館経営者たちが良質の温泉地づくりに取り組んでいるのに残念だ」と指摘する。

 松田教授によると、「金の湯」はさまざまな成分が入っているだけに、塩素という殺菌剤を投入することで効能などに劇的な変化が起きている可能性があるという。

 そのうえで、「かけ流しの『金の湯』は清掃や湯の入れ替えの回数を増やすなどの方法で感染事故を予防することができ、塩素投入は安易すぎる」と語る。

ZAKZAK 2004/03/22

http://www.zakzak.co.jp/top/t-2004_03/1t2004032217.html