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2004年03月19日(金) 09時31分

運び出された感染鶏 連載「何が起きた(2)」京都新聞

鶏インフルエンザの陽性反応が出たため、姫路家畜保健衛生所の消毒を受けた「アリノベ」処理場(28日、兵庫県八千代町)    2月26日午前11時すぎ。兵庫県八千代町の食鳥加工会社「アリノベ」処理場に、トラック2台が到着した。浅田農産船井農場から出荷された約6700羽の鶏が積まれていた。
 「異常なかったか」と運転手に聞いたのを、アリノベの有延秀棋専務は覚えている。「特には。死ぬ鶏が多いのは、『水やりを止めたから、体力が落ちてるんちゃうか』と浅田社長が言ってました」と運転手は答えたという。
 有延専務は、さらに当時を思い返した。荷台から降ろされたカゴの中の鶏の様子は、いつもと変わらないように見えたが、ぼんやりした不安は胸の底に沈んでいた。「今日は死ぬ鶏が少なければいいが」
▽「検査異常なし大丈夫」
 前日の25日の異変が、気になっていた。船井農場から3200羽の鶏が運ばれた。立ち会った県食肉衛生検査センターの検査員(獣医師)が15羽前後を抜き取り、顔のむくみや眼や脚の状態、下痢や出血などの有無を確認した。取り出した内臓の検査でも異常は認められないとして、作業は淡々と進んだ。
 処理ラインのベルトに鶏を1羽ずつ吊り下げる際、死んだ鶏は除いて、別のカゴに入れる。夕方、社員が数えたら135羽になっていた。
 「冬にしては多いな」。報告を受けた有延専務は「何ですやろ。大丈夫ですか」と検査員に聞いた。死鶏の数を台帳に記録していた検査員は「心配するほどじゃない」と言ったという。
 1月の山口県での鳥インフルエンザ感染以来、取引先から「きちんと消毒してや」と念を押されていた。鶏を運ぶカゴや出入りの車、処理場の床を消毒した。
 26日午後、船井農場の鶏の処理が始まり、社員が死んでいる鶏を数えた。ちょうど300羽。比率が前日より少しだけ高くなっていた。
 「変わったところはない。大丈夫」。そう検査員が話したと、社員から有延専務は報告を受けた。午後7時ごろ、浅田肇会長から電話があった。「腸炎かもしれない」。船井農場で続いていた鶏の大量死については聞かされなかったという。
 処理場の鶏への感染が確認されたのは、2日後のことだった。(京都新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040319-00000004-kyt-l26