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2004年03月14日(日) 06時25分

警視庁、「口座屋」摘発に本腰 おれおれ詐欺など抑止朝日新聞

 おれおれ詐欺や架空債権回収詐欺で、犯人側が指定する金の振込先には、きまって第三者名義の銀行口座が使われる。口座を商売にする「口座屋」や詐欺グループの背後には暴力団の影もちらつく。こうした口座ビジネスが、頻発する詐欺事件の温床になっているとみて、警視庁は口座屋の解体に乗り出した。

 警視庁は2月、組織的に口座を売買していた電話代行会社「ふれあい友の会」代表の荻村忠明容疑者(41)ら4人を詐欺容疑で逮捕した。

 関連先として新宿区内のマンションの一室を捜索。住吉会系暴力団関係者とされる松村信助容疑者(43)を中心とした口座売買グループの拠点だ。押収資料から約300の口座を売買していたことがわかった。

 松村容疑者らは3月初め、郵便はがきを使った架空債権詐欺の疑いで愛知県警に逮捕された。詐欺のかたわら、自らも口座を開設して売買し、顧客の要望通りの口座がない場合は「ふれあい」から購入して転売していた。

 口座は複数のおれおれ詐欺グループに渡っていた。収益の一部は住吉会系組織に上納された可能性もあるという。

 1支店に同一人物は1口座まで▽口座は必ず100円で作り、勤め先として、銀行の支店近くのアリバイ会社を記入する▽銀行にはネクタイ、スーツを着用し、髪形を整えてから——。

 「ふれあい」は口座開設の際、怪しまれないよう注意事項を記した手引を作成。15項目にわたり細かく指示していた。

 また月2回、夕刊紙に広告を出して仲間や口座開設者を募り、入手した口座はインターネットなどで1口数万円で密売していた。

 全国銀行協会によると、昨年4〜12月に「おれおれ詐欺」の振込先だったことなどが発覚し、銀行が利用停止や強制解約をした口座は全国183行で1万3767件。大半が第三者に転売されたものとみられる。

 警視庁は今年に入り、第三者に売る目的で口座を開設した場合、銀行に対する詐欺とみなし、開設者に加え、買い取った側も積極的に摘発する方針を打ち出している。その効果か、昨年12月に123件確認された都内のおれおれ詐欺は、今年1月に72件、2月は47件に減った。

 捜査幹部は「第三者名義の口座は詐欺に不可欠。口座屋の摘発による抑止効果は大きい」とみる。一方、ある捜査員は「銀行口座がダメなら、私書箱を現金の送付先にするなど次々と新たな手口が出てくる」と警戒する。(03/14 06:25)

http://www.asahi.com/national/update/0314/003.html