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2004年03月11日(木) 20時21分

水島署不祥事 上層部の謝罪なし 接待は県警OBが紹介、高まる県民不信 /岡山毎日新聞

 ◇腐敗、根強く
 酒食の接待や宿泊券の受領、指名手配組員と飲食のうえ逃亡見逃し——。水島署をめぐる不祥事は10日、収賄や犯人隠避容疑で3人が書類送検、7人が停職、減給などの処分を受けた。接待には県警OBの「威光」もあり、同署会計課の女性事務員らも同席するなど腐敗の根深さを示した。しかし、上層部は処分されず、同署や県警本部の幹部から謝罪のことばは一切なく、県民の警察不信はますます高まった。 【山本芳博】
 処分発表の記者会見には、福田和民・首席監察官と横張隆拡・監察課長の2人が出席。福田首席監察官は「警察改革の最中の不祥事で痛恨の極み。信頼回復に全力を尽くす」と、西郷正実警務部長のコメント文を淡々と読み上げたが、2人とも最後まで頭を下げなかった。
 同署では昨年8月、交通事故被害者家族への連絡を怠ったうえ、問い合わせに対し暴言を吐く不適切対応があり、同11月にはパトカーが追跡車の事故現場を素通りするなど不祥事が続いている。
 今回の不祥事のうち接待では、パチスロ店に就職した県警OBが仲介したといい、同署上層部が関知していなかったのは不自然。しかし、横張課長は不祥事の監督責任について、「接待、収賄、犯人隠避などの実態を知り得る立場にあり、指導を怠った生活安全課長を処分した」と力説。署長ら上層部の責任については、「そういう立場になかった」と繰り返した。
 ◇担当でも懲戒にせず
 同署生活安全課の警部補(50)は02年11月、県警公安課の警部補に「容疑者を呼んでほしい」と依頼され、公安課などが指名手配していた暴力団組員を自宅に呼んだ。公安課警部補は組員の事件担当だったが、3人で一緒に酒を飲みながら「1週間後に出頭しろ」と言って逃がしたとされる。
 県警は、公安課警部補を犯人隠避容疑で書類送検したが、捜査担当にもかかわらず、懲戒処分にはせず、「本部長訓戒」にとどめた。監察課は「捜査担当者より、自宅に呼んだ警官の方が処分が重いし、接待にも参加している」と説明した。
 ◆市民オンブズマンおかやまの重田龍三代表(67)の話 処分の基準や内容が県民に分かりにくい。内部告発で不祥事が発覚しているが、県警の情報公開を進める必要がある。処分基準の説明で「不祥事を知り得る立場」としたが、県民の信頼を得るためには、県警の一線から上層部までが、知っていなければならない。
 今回の処分は、停職4カ月=水島署刑事2課巡査部長(書類送検、依願退職)、同署生活安全課警部補(同、同)▽減給100分の10(1カ月)=同課警部補▽本部長訓戒=同課長、本部公安課警部補(書類送検)▽本部長注意=同署事務吏員▽所属長注意=同署巡査長
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 ◇本部長を取材中、県警総務課員が妨害
 水島署員らの不祥事の10日の処分発表では、県警の不適切な対応が目立ち、記者会見に出席しなかった福島克臣・県警本部長にコメントを求めた際には取材妨害ともいえる行動があった。
 同日の県議会に出席した福島本部長は、休憩時間中に本会議場前で毎日新聞と朝日新聞の取材に応じ、「決して事案を軽視していない」としながらも、会見で県警としての謝罪がなかった点については「会見内容を承知していないので何とも言いようがない」と答えるにとどまった。また、「会見の状況がよく分からないので教えてほしい」としたうえで、「本部長や警務部長がコメントを出し、会見に出ない例は他県でも非常に多いと思う」と回答。
 こうしたやりとりの最中に、県警総務課員が毎日新聞記者の左腕をつかんで引っ張り、本部長から引き離した。その場の抗議に対し同課は「本部長は会見に出ていないのを理解してほしい。顔見知りの記者だったので『こんな所で何をやっているんだ』というつもり。取材妨害でなく、行き違いだ」と釈明した。 【鶴谷真】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040311-00000001-mai-l33