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2004年03月11日(木) 03時03分

車輪脱落で事故、ハブの欠陥認めリコールへ 三菱ふそう朝日新聞

 大型トレーラーなどのタイヤが外れる事故が相次いだ「三菱ふそうトラック・バス」(東京都港区)は、11日にも国土交通省に、タイヤと車軸をつなぐ金属部品「ハブ」のリコール(無償回収・修理)を届け出ることを決めた。02年1月に、横浜市で外れたトレーラーのタイヤが歩行中の主婦を直撃して死亡させる事故が起きるなど、同種のハブが壊れる事故が過去50件余りも起きていた。同社は、原因は使用者側の「整備不良」と説明してきたが、その後の調査で設計・製造に原因があると判断を一転させた。

 神奈川県警は横浜市の事故について、ハブの構造に欠陥があったにもかかわらず、適切な措置を取っていなかった疑いがあるとみて、昨年10月と今年1月、業務上過失致死傷の疑いで同社や関係先を家宅捜索した。今後、自主点検などからリコールに切り替えた理由などについても事情を聴くとみられる。

 三菱ふそうトラック・バスによると、初めての死亡事故となった02年1月の横浜の事故に前後して、これまでに同種のハブが壊れる事故が50件余り起きている。

 関係者によると、同社は、このままでは同様の事故が起きる可能性が否定できないと見て、改めて自社で検証実験を実施。ハブが壊れる原因は整備不良ではなく、ハブの厚さや材質、耐久性といった設計や、製造段階で破損につながる原因があると判断した模様だ。

 道路運送車両法が定める保安基準では、ハブについて「堅ろうで、安全な運行を確保できるもの」と規定している。

 横浜の事故後、三菱側は、一連の事故について「タイヤの内側にあるホイールとハブを固定するボルトの締め付けが不十分なため、ハブの一部が摩耗。変則的な力がかかって亀裂が入った」などと説明。使用者側がきちんと整備していれば破損は起きないとの判断を示していた。

 これに基づき、同社はリコールではなく、ハブの無償点検や交換を進めてきた。今月5日までに新品のハブに交換が済んだのは対象車7万5866台の98.3%に上っている。交換が済んでいないのは1290台で、うち98台は交換の呼びかけに応じず、国内を走行している可能性が高いという。残る1192台は所有者が分からず、廃車や海外に転売された可能性もあるという。

 新しく取りかえられたハブでは、破損事故は起きていないという。

◆三菱ふそうトラック・バス コミュニケーションチームの話

 現時点ではコメントを差し控えたい。

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《キーワード》ハブ

 自動車の車軸と車輪をつなぐ特殊鋳鉄製の部品。シルクハットのような形をしている。つばにあたる円盤部が車輪に固定され、円筒状の部分の内側に車軸が差し込まれる。一般的には廃車まで取り換えることはない。

《キーワード》リコール

 道路運送車両法に定められた制度。自動車の構造や性能が保安基準に適合していない恐れがあり、原因が設計または製造過程にある場合、販売後の自動車について必要な改善措置を行う。メーカーが国交省に届け出て対象車を無料で回収修理する。00年に発覚した三菱自動車の大量リコール隠し事件を受けた法改正で、国はメーカーに改善命令を出せるようになり、届け出・報告義務に違反したメーカーの罰金は1000倍の最高2億円に引き上げられた。(03/11 03:03)

http://www.asahi.com/national/update/0311/005.html