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2004年03月10日(水) 07時04分

決定打欠く本人確認 相馬・住基カード不正取得事件河北新報

 福島県相馬市で起きた住民基本台帳カード不正取得事件は、住基ネットワークや電子自治体における本人確認手段の「要」であり、公的な身分証明書にもなるカードを、他人が入手する危険性があることを示した。佐賀県鳥栖市で起きた同様の事件も踏まえ、総務省は8日、再発防止のため本人確認方法を厳格化した。しかし、対策は万全とは言えず、現場の不安は消えない。(相馬支局・佐々木貴)

<想定外の犯行>
 「国のマニュアルに沿って対応していただけにショックだ。盲点を突かれた」。同市民生部の漆山利博部長の言葉は、カード交付時の本人確認の難しさを示す。

 申請時の本人確認で、運転免許証など写真入りの公的な身分証明書がない場合、申請者あてに照会書を郵送する。これまでは、受け取る際に署名押印した照会書を持参すれば本人と認定された。照会書を他人が入手し持参する事態は、全く想定していなかった。

<「鍵」普及せず>
 市民課の影山勝雄課長は「市は独自の対応として、運転免許証などの提示も求めていた。だが『ない』と言われればそれまで」と話す。カードを入手した男は、知人の年金を担保に銀行から220万円を借りた。

 事態を重く見た国は、照会書に加え運転免許証や健康保険証などの提示を義務付け、必要に応じて本籍などを質問する—とした本人確認の厳格化に乗り出した。相馬市は、照会書の送付を普通郵便から配達記録郵便に変更することを決めた。

 それでも、現場に不安は残る。ある職員は「本籍を知ることも、健康保険証を入手することも、ある程度親しい間柄なら可能だ。まして、今回のように同居している人なら難しくない。配達記録郵便も完全とは言えない」と本音を漏らす。

 カードの交付は昨年8月に始まった。ICチップに氏名、住所など個人の基本4情報を記録。住基ネットでの本人確認手段であり、現在、全国の自治体で住民票の写しを取ったり、転出届を郵送したりするサービスが受けられる。住基ネット利用の「鍵」的な存在だ。

 しかし取得率は低迷している。福島県の場合はわずか0.08%。相馬市の交付件数も27件だけだ。こうした状況下でさえ、不正取得事件は起きたのだ。

<「危機意識を」>
 「万全ではないが、今よりはまし」(相馬市)という程度の強化策で、どこまで防げるか疑問は残る。一方で、本人確認を厳格化しすぎると住基カードが普及しないとの懸念もある。

 住基ネット差し止め訴訟福島原告団の山崎四朗団長(63)=喜多方市=は「不正取得は今後も起こり得る。自治体は、予測できないことが起こるという危機意識を常に持ち、国の先をゆく気構えで個人情報を守るべきだ」と指摘している。




[住基カード不正取得事件] 相馬市の男が昨年11月、同居中の知人に成り済まし不正に住基カードの交付を受けたとして有印私文書偽造、同行使容疑で今月1日、相馬署に逮捕された。男は同居していた知人の名義で、自分の写真を示し住基カードの交付を申請。市が送付した照会書を持参しカードを受け取った。
(河北新報)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040310-00000006-khk-toh