2004年03月04日(木) 00時00分

結婚詐欺で不起訴の女一転起訴 （東京新聞）

　宇都宮地検は三日、五千万円の結婚詐欺事件でいったん不起訴にした栃木県小山市の無職篠原幸子容疑者（５５）を、詐欺容疑などで逮捕、同罪などで即日起訴した。宇都宮検察審査会が二月二十五日、不起訴不当と議決したのを受けて再捜査。容疑の一部の時効成立が四日午前零時に迫っていたため、異例のスピード起訴となった。

　起訴状などによると、篠原被告は一九九七年三月、結婚するつもりがないのに、同県真岡市の男性＝当時（７９）＝から結納金として二千万円をだまし取り、その後も預金通帳と印鑑を盗んでさらに三千万円を詐取した。

　男性は同県警真岡署に告訴。同署は二〇〇二年八月、篠原被告を書類送検したが、宇都宮地検は今年一月、嫌疑不十分として不起訴にした。男性は民事訴訟も起こし、篠原被告に五千万円の損害賠償を命じる判決が二〇〇〇年十二月に確定している。男性は〇三年七月に死亡した。

　同地検の長谷川高章次席検事は「再捜査した結果、新たな証拠が得られたため起訴した。いったん不起訴処分とした結論も、当時の証拠から判断すれば仕方なかった。捜査過程を洗い直し、正すべき点は正したい」と話している。

http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20040304/mng_____sya_____009.shtml