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2004年03月01日(月) 01時31分

20万羽どこに処分…住民の汚染不安で候補地白紙に読売新聞

 鳥インフルエンザの感染が確認された京都府丹波町の養鶏場「浅田農産船井農場」で、29日に始まった鶏の殺処分。しかし作業ははかどらず、約19万8000羽もの死がいを埋める処分地もいまだ決まっていない。

 府はこの日、候補地として農場南側の水田を説明会で提案したが、住民側は「環境汚染が心配」と強く反発し、府は計画を白紙に戻した。一方、鶏や卵の新たな移動自粛区域は、船井農場から生きた鶏を入荷した兵庫県八千代町の処理業者を中心に半径5キロ以内となり、対象区域の養鶏業者は「死活問題だ」「公的補償がなければ事業継続は困難」と、不安を口々に訴えた。

 府と町の説明会は午後2時半から、丹波町安井地区の公民館で行われた。出席した地元住民約80人に、府農林水産部の青合幹夫部長らは、浅田農産が所有する農園南側の水田(約2600平方メートル)に溝状の穴(長さ約30メートル、幅約11メートル)を6か所掘り、殺処分の鶏などを投棄する案を示した。

 ところが住民側は「水への影響が不安。我々はここに住まないといけない」「川の上流で汚染の原因にもなりかねない」と反発。府側は「速やかに埋めないといけない。この土地を使わざるを得ない」と訴えたが、住民側は「鶏舎を解体した跡地に埋めてほしい」と農場の敷地内での投棄を求め、話し合いはまとまらなかった。

 説明会後に会見した青合部長は「反発が思ったより強かった。提示案を実行するのは難しい。代替案を早急に考えたい」と苦渋の表情を浮かべた。

 殺処分の作業もはかどっていない。府の担当職員が鶏舎内で鶏をごみ袋に入れ、ガスを注入するという手作業の繰り返しのため、1時間で袋詰めできる鶏は900羽余り。府の幹部は「このままでは、殺処分を終えて移動自粛区域を解除するまで2か月はかかる。地域経済への影響は計り知れない」と話している。この日の作業は30人余りだったが、1日は170人を増員する。

 一方、京都府亀岡市の養鶏場で働く職員は「ただでさえ卵価格が安いのに、売り上げがなくなるのは死活問題」と不安顔。同市でブロイラーのひなを月に40万羽出荷していた業者も「1日100万円以上の損失。従業員35人の生活もかかっており、公的補償がなければ事業継続は難しい」と話していた。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040229-00000214-yom-soci