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2004年02月29日(日) 23時49分

<鳥インフルエンザ>通報遅れと行政ミスで不安拡大毎日新聞

 京都府丹波町の採卵養鶏場「浅田農産」船井農場の鳥インフルエンザ問題は29日、鶏の大量死が始まって10日目になって、大量死後に出荷された鶏肉の一部が市場に出回り消費されていたことが分かった。行政への通報を怠った浅田農産のモラルの欠如に加え、単純なミスで、兵庫県が「問題の鶏肉は市場に出ていない」とする“安全宣言”を1晩で撤回、謝罪した。事態の深刻化は、さらに人災の色がこくなってきた。

 京都府などの調べでは、船井農場は鶏の大量死が始まった2月20日以降の25、26両日、生きた鶏9932羽を兵庫県八千代町の鶏肉処理業者「アリノベ」に出荷。同社から京都府内など複数の業者に卸され、京都市や大阪府内の飲食店などで、食肉処理された鶏30羽と鶏肉など11.1キロが消費されていた。

 京都市南区の卸売業者は、仕入れた100羽のうち60羽を27日、同市などの業者に出荷。20羽を仕入れた同市下京区の卸売業者は、同日中に市内の小売店や飲食店などに販売、消費された。同市伏見区の業者は、仕入れた15羽のうち10羽を、同市内の食肉店と飲食店に販売されて消費されたが、5羽は食肉店が事態の広がりを心配して自主的に廃棄したという。

 また、大阪市内の飲食店は8.4キロを仕入れ、27日にかけて食材やスープのだしガラとしてすべて消費された。

 一方、京都府内の別業者のルートでは大阪府堺、貝塚、泉大津、泉佐野各市の食肉販売店4店に計12キロが納品され、このうち堺市で1.3キロ、泉佐野市で1.4キロが販売されていた。その他は自主回収したり廃棄されたという。

 問題の鶏肉が市場に出回り消費されたことに関し、兵庫県は「販売自粛を要請しており、鶏肉が出回ることはない」と説明していた。原因は、京都市から28日に届いた連絡ファクスを1日、担当者が見忘れていたため。大阪府内の業者に出荷された鶏肉についても府が「店頭から撤去」と回答したのを県が「返品済み」と解釈して発表したが、既に2.7キロが売られていた。

 兵庫県の説明によると、ファクスは28日午後2時半ごろ届いた。「アリノベ」から鶏肉約180キロが京都市内の食肉販売業者に出荷された▽京都市、滋賀、大阪、兵庫県伊丹市の5業者に転売された▽消費者に販売されたかについては調査中——との内容で、県庁内の生活衛生課のファクスに送信され、県の担当者が見ないまま机の上に放置されていた。京都市も送信したとの連絡はしていなかったという。

 県の担当者は28日夜になって報道機関からの取材で鶏肉の一部が流出したらしいことを知り、29日朝、京都市など出荷先の自治体に確認を開始。同日午前10時半ごろになってファクスの存在に気付いたといい、「送られてくるファクスが多く、確認し損ねた。初歩的なミスで申し訳ない」と陳謝した。

 青砥謙一・同県防災監も「緊急ファクスは別にするなどの仕組みも考えなくていけない」と話した。(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040301-00000078-mai-soci