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2004年02月25日(水) 00時00分

ロシアに残るオウムの闇  東京新聞

 オウム真理教の海外最大拠点とされ、今も闇の一つとされるロシア。かつて元代表麻原彰晃被告(48)=本名・松本智津夫=が政府ナンバー2と接触し、教団武装化のための武器や資金の調達先ともなった。信者数こそ激減したが、信仰は次の世代に受け継がれる様相をみせている。麻原被告の判決を前に、テロが続発する首都モスクワで教団の動向を取材した。

 (モスクワ・滝沢学)

◆テロの夜に…

 モスクワで地下鉄爆弾テロが起きた六日夜。現場から北に四つ目のトベルスカヤ駅近くの住宅で、ロシア人ら男女数人が追い立てられるように引っ越し作業を始めていた。

 赤の広場やクレムリンに徒歩十分ほどの繁華街。七階建て住宅の最上階は、日ロ公安当局がマークする教団の最新拠点の一つだった。

 「オウムの信者?」「宗教? 関係ないわ」。記者の質問に女性の一人はこう返答。二、三人の男性が冷蔵庫や書棚などをワゴン車に積み込み、一団は午後十一時前に姿を消した。

 この日朝の地下鉄テロを受け、家主で画家のコチネフさん(54)に電話をかけてきた警察官は「今日のような事件があるから、早急に退去させなさい。オウムの活動もあるかもしれない」。警察から初めて「オウム」の言葉が飛び出した。

 不動産屋の仲介で月三万六千ルーブル(約十三万円)の賃貸契約を結んだのは昨年七月。入居者は四十歳代のロシア人女性「ラーダ・グロモワ」とその家族だった。

 部屋は三つで計約八十平方メートル。相手は「室内の壁を取り払いたい」と要望。職業を聞くと「非公式な仕事」と答え、明かさなかった。

 コチネフさんは、「怪しいと思ったが、金が必要だったので目をつぶってしまった」という。

◆部屋は道場に

 改装後の昨年九月半ばから隣人とのトラブルが始まった。週末を中心に常時三、四十人が出入り。大音響の音楽や祈りのような歌声、子どもたちのわめく声が延々と響き渡った。来客は主にロシア人。アジア系も含まれていたという。

 契約相手のラーダは「私は子どもたちに日本語を教えている。週末に友人とお茶を飲み、歌っている」と説明。部屋には巨大スピーカーが二つ、カーテンのない窓には紙が張られていた。

 隣人とのトラブルが絶えず、コチネフさんは二月初めまでに退去するよう通告。引っ越し前日も隣人からの苦情で駆けつけると、警察官が身元確認のため、部屋に集まっていた三十代のロシア人女性約十五人からパスポートを取り上げている最中だった。

 引っ越し後の部屋には、ロシア語タイトルで「レイキ(霊気)」と書かれた本とロシア語の聖書、ろうそくが残されていた。「今回のことは早く忘れたい」。修行の場となった部屋をコチネフさんは元通りに改装中だ。

■麻原被告判決控え公安当局 過激信者の暴走警戒

 ロシア治安当局は最近、「モスクワのオウム出家信者は約四十人」と日本側に伝えた。ロシアの信者は出家、在家合わせて約三百人とされてきたが、治安当局が首都に限った信者数を示したのは初めてだ。

 数カ所ある拠点は統廃合があるが「勢力拡大の状況にはない」(公安当局者)という。東京で地下鉄サリン事件が起きた九五年以降、オウムはロシア全土で活動禁止となり、三万人ともいわれた信者は激減した。

 現在、日本へは一回一万ドル単位の銀行送金が行われているとの情報があり、日本から教団幹部が定期的に訪ロしている。

 麻原被告奪還のため日本でテロを計画し、極東で服役中のシガチョフ受刑者のような過激信者も存在した。麻原被告の判決を前に、公安当局は過激信者の暴走を懸念している。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/kakushin/20040225/mng_____kakushin000.shtml