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2004年02月22日(日) 11時57分

思わぬ牛丼ブーム 競馬場「吉牛」に列、ネット売上急増朝日新聞

 米国の牛海綿状脳症(BSE)問題をきっかけに街の牛丼店から牛丼が消えるなかで、思わぬ牛丼ブームが巻きおこっている。牛丼販売を続ける競馬場内の吉野家に長い列ができ、飲食店の中には、メニューに新たに牛丼を加えるところも相次いでいる。

 京都市伏見区のJRA(日本中央競馬会)京都競馬場。1階のファストフードコーナーにある吉野家には21日から、普段より210円高い650円の大盛りが並んだ。「ご理解を」と値上げを知らせるポスターを横目に、昼過ぎにはコーナーをはみ出して300人を超える行列ができた。

 京都府八幡市の会社員(22)は車で父親を送って来て、牛丼を食べるために200円の入場料を払った。「これまで週に1回は食べていたが、販売停止になってから初めて食べた。値段は不満だが味は最高」と、大盛り2杯を平らげた。

 吉野家は11日に全国の大半の店で牛丼販売を休止したが、JRAの競馬場では、カレー店などとメニューが競合しないよう、牛丼しか売らない契約になっている。先週はいつもの価格で販売し、京都競馬場だけで2日間に8000食を売ったが、21日から値上げした。

 650円の大盛りは国産と豪州産の肉をブレンドしていて、京都、阪神(兵庫県宝塚市)など全国7カ所の競馬場で売られる。

 関東に43の牛丼店を展開する神戸らんぷ亭(本社・東京)はいまも牛丼を出していて、売り上げは普段の3割増。広報担当者は「米国産の在庫がなくなれば豪州産に切り替え、値上げせざるを得ないが、牛丼人気は続くだろう」とみる。

 関西中心に七つの焼き肉チェーン店を持つチャコール神戸(本社・大阪府東大阪市)は、2月末からメニューに牛丼を加える。値段は700円程度の予定。「牛丼を出してという客の要望が多いので」と寺岡里味社長。

 肉料理専門店「てらおか風舎金沢店」(金沢市)も23日から、1日15食限定で販売する。吉野家の牛丼に似せてタマネギを多くしたが、地元の和牛を使い、1杯840円。寺岡一彦支配人(39)も吉野家ファンで、「同じ牛丼好きに食べてもらいたい」と企画した。

 インターネットで冷凍食品を販売する食品流通研究所(本社・新潟県上越市)は、牛丼の具の売り上げが今月は普段の月の5倍の800食になる見込み。営業担当者は「肉を豪州産にかえたので少し硬いが、好評」という。ネットオークションでも、レトルトの牛丼が元値の倍近い価格になっている。

 マーケティングコンサルタントの西川りゅうじんさんは「サッカーワールドカップのチケットなどと同じで、パニック状態。希少なものを食べた優越感が先行している」とみる。「牛丼はラーメンやカレーほど定着していないが、今回のブームで、肉やだしなど素材にこだわる店が生まれ、将来はラーメン並みのステータスを確立するかもしれない」という。

(02/22 11:57)

http://www.asahi.com/national/update/0222/011.html