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2004年02月22日(日) 01時36分

<BSE>国内10頭目の感染確認 神奈川・厚木毎日新聞

 神奈川県厚木市の食肉処理場で解体された7歳11カ月の乳牛がBSE(牛海綿状脳症)に感染していたことが21日分かった。国内で感染牛が見つかったのは昨年11月4日以来で、10頭目。厚生労働省は22日に専門家会議を開き、BSEであることを正式に確認する。出生日は7頭目までの感染牛とほぼ同時期で、農水省は感染ルートの解明を進める。この牛の肉は焼却処分され、市場には出ない。

 厚労省によると、この牛は96年3月に同県平塚市の牧場で生まれ、育った雌のホルスタイン種。20日に厚木市の食肉処理場で解体処理された。処理場に搬入された際、股(こ)関節を脱臼して起立できない状態だったが、音に過敏に反応するなどのBSE感染牛特有の症状は見られなかった。同県食肉衛生検査所による全頭検査の1次検査(エライザ法)で陽性となり、21日に国立感染症研究所(東京都)で行われた精度の高い2次検査(ウエスタンブロット法)でも、陽性が確認された。

 農水省はこの牛の飼料などにBSEの感染源とされる肉骨粉が使われていなかったか調査する。これまで感染が確認された10頭のうち、8頭は95年12月から96年4月までの約4カ月間に生まれているが、感染ルートの解明につながる手がかりは得られていない。

 国内では01年9月に千葉県の乳牛のBSE感染が初めて確認された。厚労省は同10月、すべての食用牛を対象にした全頭検査をスタートさせ、現在までに約290万頭を検査している。一方、農水省も昨年4月から感染のリスクがより高い2歳以上の死亡牛の検査を始めたが、まだ完全に実施できていない地域もあり、これまでの感染牛は全頭検査からしか見つかっていない。【須山勉】 ◆解説◆継続的な監視が必要

 国内10例目となるBSE(牛海綿状脳症)の感染が確認された。年齢からみて、BSE防止対策が取られる前に生まれ、汚染された餌を通じて感染した疑いが強い。感染源の調査はこれからだが、過去9頭も感染経路は特定できておらず、食肉の安全を確保するには、水際での検査に頼らざるを得ない。

 日本では、食肉処理前の全頭検査と、病原体の異常プリオンが蓄積しやすい危険部位の除去を義務付けており、BSE対策の厳格さでは世界トップクラスだといわれる。

 21日、東京都内で開かれたBSEの専門家による国際シンポジウムで、東京大農学生命科学研究科の吉川泰弘教授は「2015年ごろまでは、注意深い監視が必要だ」と見通しを示した。国際的に「BSE清浄国」と認知されるためには、「最後の1頭」が出てから7年間、感染牛が見つからないことが条件だ。日本の場合、01年10月に肉骨粉の給餌を禁止する直前に生まれた牛が、今年から食肉として市場に出回り始める。06〜07年ごろまでは発症しないまま出荷される可能性があるからだ。

 最後の1頭まで、検査に伴う手間と経費はかかり続ける。【元村有希子】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040222-00000041-mai-soci