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消費者金融大手、三洋信販（本社・福岡市）の顧客データ３２万３８２０人分が外部に流出していたことが２０日、わかった。九州・沖縄８県の名簿とみられ、氏名、生年月日、住所などが記されていた。消費者金融会社からのデータ流出としては過去最大。同社は偽計業務妨害などの疑いで福岡県警に告訴・告発を検討している。
氏名、生年月日、住所のほか、性別、未婚・既婚の別、職場の連絡先なども入力されており、全部で３２万３８２０人分あった。貸付残高や完済日などの信用情報は含まれていなかった。
このうちの一部について三洋信販は「すべて顧客である」と回答した。
三洋信販によると、コンピューター管理している顧客情報は約２００万人分にのぼり、同社もすべてが流出した可能性があることを認めた。
同社からの顧客データの流出は、１月１６日に発覚。当初は１７３人分の流出を認めたが、２月１７日、さらに２７４人の流出があったと発表。うち２０８人分は、貸付残高の情報も漏れていたことも明らかにした。
同社によると、これまで漏れた４４７人分のデータは、約２００万人の顧客情報を管理する二つのコンピューターシステムから引き出されたという。昨年７月と１０月の２回、顧客情報が不正取得されていた事実を確認したが、引き出した人物は特定できていない。
情報を引き出せるのは、社内やシステム管理会社の１００人程度。同社は、従業員やデータ業務委託先の関係者などが流出にかかわった可能性が高いとみている。
三洋信販の浜田徹専務執行役員は「確認を求められた３２２人分は当社の顧客だが、ほかについてはわからない。全部が流出した可能性があることを踏まえて、お客さまに対応したい」と話している。同社は「お客様サービスセンター」で問い合わせや相談を受け付けている。電話番号は０１２０・２４・００３４（２４時間受け付け）。
〈三洋信販〉 本社は福岡市で、５９年創業の東証１部上場企業。個人向け無担保ローンでは武富士やアコムなどに次いで大手の一角を占める。従業員は１１２６人。昨年末の貸付金残高は４１５６億円に上る。九州が地盤だが全国展開しており、店舗数は無人を含め９９５。「ポケットバンク」のブランド名で、人気女優を起用した宣伝で知られる。傘下に東証１部上場の「ポケットカード」（旧マイカルカード、本社東京）がある。０４年３月期決算（連結）は営業収益１４８２億円、当期利益１５４億円を見込む。
(02/21 03:02)