悪のニュース記事

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2004年02月20日(金) 14時14分

2月20日付・よみうり寸評読売新聞

 「人間、骨を折ることを惜しんでいては、骨の髄まで腐ってしまう。骨をおろそかにしてはいけない」と中西進さんが書いている◆月刊「ウェッジ」誌の三月号にある。長く国文学を講じ、現在奈良県立万葉文化館長の中西さんは同誌に〈日本人の忘れもの〉を書き続けてきた。今回のテーマは〈骨〉◆人間の顔には植物と同じ名の器官がある。芽(目)があり、花(鼻)が咲き、葉(歯)が出て、実(耳)がなるが、では骨は何かというと〈秀根(ほね)〉。骨は大切な根なのだ。この連載は毎回、面白いことを教えてくれる◆骨折の痛みはとびきりで、難問の解決に〈骨を折る〉と言う。反対に怠けることは〈骨惜しみ〉。温泉などで休むのは〈骨休め〉だ。〈骨の髄まで腐った奴(やつ)だ〉などとも言う◆さて当今、文明の発達は数々の利便をもたらした。が、楽をして失うものも多い。インターネットを使う詐欺や悪質商法など、手軽に犯罪に走る骨まで腐った連中が山といる。〈骨身惜しまぬ心〉などどこへ忘れてきたのか◆犯罪は論外だが、知らず知らず楽に走るのは危うい。

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20040220ig05.htm