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2004年02月16日(月) 14時16分

DJ-米グーグル、抗議団体の広告を掲載中止にダウ・ジョーンズ

サンフランシスコ(ダウ・ジョーンズ)ネット検索大手の米グーグルは、環境団体によるクルーズ客船運営大手の下水処理手法に関する抗議広告の掲載を中止した。
 
非営利団体オセアナによると、グーグルは、同社のウェブページに先週2日間掲載されたテキスト広告について、クルーズ客船運営大手ロイヤル・カリビアン・クルーズ(NYSE:RCL)を批判しているとして取扱いを禁止する判断を下した。
 
オセアナは、ロイヤル・カリビアンの船舶が下水の不正処理を通じて海水を汚染していると主張する。このため、同団体は、検索エンジンに「クルーズ・バケーション」、「クルーズ・シップ」などと入力すると、検索結果に同団体の広告が掲載されることを条件に広告料を支払っていた。
 
オセアナの広告は「世界の海洋保護を支援しよう」と呼びかけており、ロイヤルを直接批判する内容にはなっていない。しかし、この広告には、同クルーズ会社を批判するウェブページへのリンクがついていた。
 
オセアナが禁止措置に抗議したところ、グーグルは電子メールを通じて、「ロイヤル・カリビアンへの対立を支持する文言」を用いる広告は受け入れられないと回答したという。
 
オセアナ代表のアンドリュー・シャープレス氏は「証拠はないものの」、検閲やひいき主義のにおいがすると主張した。
 
一方、グーグルとロイヤルはいずれも、オセアナの広告の取扱中止を求める圧力についてはこれを否定した。グーグルでは他の団体や企業に対する批判広告の掲載を禁止しており、広報担当者のシンディー・マッキャフリー氏は「同サイトが掲載する広告に関する編集裁量権はわれわれの元にある」と述べた。
 
なお、非公開企業グーグルのライバルである米ネット検索大手ヤフー(Nasdaq:YHOO)傘下のオーバーチュアの場合、オセアナの広告を認めていた可能性が大きい。オーバーチュアの広報担当者、ジェニファー・スティーブンス氏は、批判広告であっても、わいせつまたは中傷的な内容でない限りは掲載する方針だという。「これは言論の自由にかかる問題」と同氏。
 
年内に新規株式公開(IPO)を実施する見込みのグーグルは、広告主のビジネスに関連する検索結果の右側にテキスト広告を表示する方式を用いた「アドワ−ズ」広告事業を通じて堅調な広告収入を挙げている。しかし、一方ではアドワーズを巡る問題も浮上している。
 
アメリカン・ブラインド・アンド・ウォールペーパー・ファクトリーは最近、グーグルを相手取って商標権侵害訴訟を起こした。同社は、グーグルの検索エンジンで「アメリカン・ウォールペーパー」、「アメリカン・ブラインド」などと入力すると、検索結果の右側にライバルの広告が掲載されることに異議を唱えている。
(ダウ・ジョーンズ)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040216-00000025-dwj-biz