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2004年02月16日(月) 13時50分

<宿泊拒否>熊本のホテル廃業へ アイスター社長が表明毎日新聞

 熊本県南小国町の「アイレディース宮殿黒川温泉ホテル」がハンセン病療養所入所者を宿泊拒否した問題で、同県は16日、同ホテルを旅館業法に基づき3月15日から18日まで、4日間の営業停止処分にする方針を固めた。一方、ホテルを経営するアイスターは16日、同ホテルを廃業することを決め、江口忠雄社長がホテル従業員に通知した。同社は「元患者の方々に迷惑をかけた。廃業は最大限の謝罪を示すため」としている。

 県は、アイスターの江口社長らから事情聴取し処分の是非を検討。その結果(1)「県は事前に宿泊者にハンセン病元患者がいることを知らせるべきだった」などと主張し続けており、人権侵害の認識が低い(2)患者に謝罪しているものの「啓発不足の国、県に責任がある」との態度は崩していない——として、再発防止のため処分が必要と判断した。宿泊拒否による営業停止は全国初。

 同社に対しては宿泊拒否された国立ハンセン病療養所「菊池恵楓園」(同県合志町)の入所者やハンセン病国賠訴訟の原告・弁護団が、「入所者を中傷する手紙などで深刻な2次被害が起きた」として、県に厳正な処分を求めていた。

 同社は昨年11月、県が実施する「ふるさと訪問事業」でホテルに宿泊予定だった恵楓園入所者に対し、ハンセン病元患者であることを理由に宿泊を拒否。県と熊本地方法務局は旅館業法違反容疑で熊本地検に告発するとともに、行政処分の検討を進めていた。【山田宏太郎】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040216-00001051-mai-soci