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2004年02月16日(月) 03時05分

<日本テレビ>「マネーの虎」 サブリミナルの疑い毎日新聞

 日本テレビのバラエティー番組「マネーの虎」のオープニングで、1万円札の福沢諭吉の顔を一瞬挟み込んだ「サブリミナル(潜在意識下)的表現手法」の疑いがある映像を流していたことが15日、分かった。この手法は日本民間放送連盟(民放連)の放送基準で不適とされており、同局は「サブリミナルではないが、疑念を持たれるようなものはやめる」として9日放送分から削除した。

 「マネーの虎」は毎週月曜午後10時54分からの30分番組で、新しいビジネスを始めたい一般募集の出場者が、成功した経営者たちにビジネスプランを示し、経営者たちが事業化できると判断すれば資金を提供するという内容。福沢の顔を挿入したのはオープニングから本編に切り替わる瞬間で、通常の視聴では分かりにくいが、録画してコマ送りして見ると、まず画面が白くなり、その後、セピア色の福沢の顔が現れた。

 日テレ広報部によると、挿入した時間は0.2秒(30コマ中の6コマ)で、同部は「プロデューサーは『お金を印象づけるためで、サブリミナル(効果)を狙う意図はなかった』と話している」としている。

 同部によると、同番組は01年10月、深夜番組としてスタートした当初から福沢の顔を挟み込んだオープニング映像を流していた。02年4月にゴールデンタイムに進出した際にはこのオープニングを使用しなかったが、昨秋に現在の放送時間になった際、深夜番組当時のオープニングに戻したという。同番組は3月いっぱいで終了することが決まっている。

 民放連の放送基準は、サブリミナル的表現手法について、「公正とはいえず、放送に適さない」と規定。意図の有無や何らかの効果が認められるか否かにかかわらず不適とし、番組テーマに関するものでも適さないとしている。

 サブリミナル的表現手法では、89年12月に日テレ系列で放送されたアニメ番組に物語と関係ないオウム真理教(アーレフに改称)の松本智津夫(麻原彰晃)被告の顔写真などを挿入▽95年5月にTBSの「報道特集」に松本被告の顔写真などを挿入したことが社会問題となった。アニメ番組では「遊びの発想で」、報道特集では「テーマを際立たせるため」とされたが、民放連は98年にサブリミナル的表現手法に関する規定を設けた。

 また日テレは、毎週火曜午後7時58分からのバラエティー番組「踊る!さんま御殿!」の一部シーンを10日放送分から削除したことを明らかにした。「ひと言体験談募集」の告知コーナーで、採用された人に贈られる賞金「5万3千円」の「5」という数字が強い光とともに短い時間現れる。日テレ広報部は「映像は1秒以上あり、通常の視聴でも十分見える。サブリミナルではないが、痛くもない腹を探られたくないのでやめた」と話している。【中島みゆき、内藤陽】

 サブリミナル効果

 視聴者が認知できないほど短い時間に繰り返し映像を流すこと。映像が潜在意識下に残るなど人間の体に影響があるとされている。

 この映像を見た稲増龍夫・法政大教授(メディア論)の話

 これは編集上、意図的に挿入したものだ。視聴率を上げる目的など、制作者が自らに有利な行為や感情を視聴者に誘発しようとしたわけではなく、遊び心からだと思うが、いかに弁明しようともサブリミナルに間違いない。制作者には編集技量を誇示したい気持ちがあったのかもしれない。(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040216-00000087-mai-soci