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2004年02月13日(金) 06時43分

レジオネラ菌、基準の1100倍 熱海のホテルで検出朝日新聞

 国家公務員共済組合連合会(KKR)が運営する静岡県熱海市の「KKRホテル熱海」の浴場で00年以降、最大で基準値の約1100倍のレジオネラ菌が検出されていたことが明らかになった。ホテルは検査後も営業を続けているが、最も菌が出た男子大浴場は1年4カ月にわたって検査をしておらず、静岡県と熱海保健所は旅館業法などに違反する疑いもあると見て12日、立ち入り検査を始めた。

 レジオネラ菌は重い肺炎を引き起こす病原菌。関係者やホテル熱海によると、ホテルは00年4月、設備の保守点検業者の勧めでレジオネラ菌検査を初めて実施。男子大浴場で厚労省の基準値の約620倍という高濃度の菌が検出された。

 その後も男子大浴場で同年6月に約500倍、翌01年3月には約1100倍の菌が検出された。

 ホテルは循環濾過(ろか)用の濾材交換や、湯の取り換えを月2回から週1回に増やすなどの対策をしたものの営業を続行。男子大浴場については02年8月と9月の検査で「(数値が)連続してゼロになった」として、その後検査をしていない。

 静岡県は、検査結果の報告義務はないものの「これくらいの高い数値が続けて出た場合は、営業自粛などの対策が必要だ。立ち入って現在の管理が適切かどうか確かめる」としている。

 大浴場は湯船の湯を繰り返し使う循環濾過方式で、厚労省のレジオネラ菌対策の指針では年2回以上、水質検査をすることとされている。

 飛嶋健治総支配人は「濾過器の清掃など一生懸命対応したが、その後も断続的に数字が出てしまった。新しい殺菌用機材を設置するなどで徐々に効果が出始めていたため、保健所には報告しなかった。もう一歩踏み込んだ配慮をすべきだったと思う」と話している。

 レジオネラ菌による感染事故は、00年に静岡県掛川市や茨城県石岡市の入浴施設で集団感染が発生し、死亡者が相次いだ。

 ホテル熱海はKKRが運営する全国48の宿泊施設の一つ。全55室で196人が宿泊可能。年間利用者は約5万人。相模灘(なだ)を一望できる客室と浴場を売り物にしている。(02/13 06:43)

http://www.asahi.com/national/update/0213/006.html