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2004年02月13日(金) 00時00分

牛乳の「生産履歴」公開朝日新聞・

 乳業メーカーの四日市酪農業協同組合(三重県四日市市黒田町)が3月から牛乳の「生産履歴」をホームページ(HP)で公開する。消費者は牛乳パックの製造年月日と記号からHP上で乳牛の飼育記録や飼料の中身などを確認できる。四日市酪農は、非遺伝子組み換え飼料を使うなど安全な牛乳づくりにこだわっており、原次男組合長は「食品の安全に消費者の関心が高まる中で、牛乳を安心して飲んでもらえるように情報を提供していきたい」と話す。

 公開される生産履歴の情報は、原料乳を生産した酪農家▽乳牛の飼育記録▽飼料の仕入れ履歴−などを計画している。牛乳パックに印刷する記号は15分ごとに変える予定。HPは現在準備中で、3月に開設する。

 生産履歴の公開は、独自に取り組む牛乳の「トレーサビリティー(履歴管理)システム」の導入に合わせて始める。これまで紙に書いた日報で記録していた履歴情報を電算処理し、業務用に一括管理するもの。15分ごとの製造単位で、乳牛の飼料から原料乳の受け入れ状況、加工記録、品質検査の記録、流通の経路まで追跡できるようにする。その情報の一部を消費者向けに公開する。

 昨年夏ごろから導入の検討を始め、事業費577万5千円をかける。うち国の補助金を215万2千円見込んでいる。

 四日市酪農は、地元の酪農家9軒から原料乳の供給を受け、一日に牛乳9千本、低脂肪乳4千本を生産している。東海地方を中心に牛乳や乳製品を販売しているほか、自然食品宅配会社を通して首都圏や関西にも出荷している。

 製品の主力は、加工に手間ひまがかかるため大手の乳業メーカーがほとんど扱っていない低温殺菌乳。中神省吾工場長は「衛生的な搾乳をすることから配慮しているからできる製品」と胸を張る。00年には乳牛の飼料を、すべて非遺伝子組み換え飼料に切り替えた。今回のトレーサビリティーシステムも、仕入れ農家が限定されているため、管理しやすいことを生かした試みだ。

 中神工場長は「地元の酪農家の原料乳を使い、地元で良い牛乳が作られていることを知ってもらうためにも、生産履歴の公開は役立つはず」と話している。


 トレーサビリティーシステム ホームページなどを利用して、消費者が食品の生産、流通情報などを把握できる仕組み。食品の安全性を向上させ、偽装表示や食中毒などの原因究明をしやすくする。農水省は今年度から、米や野菜の産地などを追跡可能にするシステム作りで補助事業を始めた。国内で生産、販売される牛肉については、「牛肉トレーサビリティー法」により、12月から「個体識別番号」の店頭表示が義務づけられる。(2/13)

http://mytown.asahi.com/mie/news02.asp?kiji=5664