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2004年02月13日(金) 03時03分

おれおれ詐欺用1200口座密売、グループ4人逮捕読売新聞

 おれおれ詐欺やヤミ金融の振込先などとして使われる銀行口座を、組織的に開設・密売していたグループの存在が判明し、警視庁捜査2課は12日、東京都内の電話代行会社役員ら4人を、銀行から預金通帳をだまし取った詐欺容疑で逮捕した。

 同グループは、少なくとも1200に上る口座を暴力団関係者らに密売していた。犯罪などに使われることを前提に開設された不正口座の組織的、大規模な密売が摘発されたのは初めて。

 逮捕されたのは、電話代行会社「ふれあい友の会」(東京都新宿区)の役員荻村忠明容疑者(41)(同区赤城下町)と従業員2人、無職伊藤正広容疑者(53)(練馬区貫井)の計4人。

 調べによると、荻村容疑者らは第三者に転売する目的で銀行口座の開設を計画。伊藤容疑者が昨年9月、都内の都市銀行支店を訪れ、自分の名義で口座を開設し、同支店から通帳をだまし取った疑い。各銀行は、口座開設者と結ぶ「預金契約」で、通帳を第三者に譲渡することを禁じている。

 伊藤容疑者は荻村容疑者らの指示で、複数の都銀や信用金庫で30以上の口座を自分名義で開設していたという。

 捜査2課は昨年10月、新宿区内のマンションにある同会の事務所を別の詐欺事件の関係先として捜索。事務所内からパソコンを押収して分析した結果、荻村容疑者らは約2年前から不正口座の密売を始め、少なくとも約1200口座を密売していたことを突き止めた。

 さらに、同課が売却された口座の使途を調べたところ、おれおれ詐欺やヤミ金融、アダルトサイトの振り込み用に使われていたことが分かり、暴力団関係者に販売された口座もあった。

 不正口座の開設には、伊藤容疑者以外にも数十人が協力していた。荻村容疑者らは、こうした口座開設役から預金通帳、キャッシュカード、印鑑を受け取ったうえで、おれおれ詐欺グループらに1口座3—4万円程度で密売。開設役には、密売が成功するたびに1口座1—2万円程度の報酬を払っていたという。ふれあい友の会は、夕刊紙の広告などで口座の購入者を募り、密売で1000万円以上の利益を得ていたとみられる。

 警察庁によると、おれおれ詐欺の被害は昨年1年間で43億円に上る。被害が急増している現状を重視した警視庁は、東京地検と協議の上、第三者に売り渡す目的で行われた口座の「開設」と「買い取り」を一連の詐取行為とみなし、密売グループに初めて詐欺容疑を適用した。

 ◆おれおれ詐欺=息子や孫を装って高齢者らに電話をかけ、トラブル解決などの名目で指定した口座に現金を振り込ませる詐欺。名目は交通事故の示談金や借金返済、妊娠中絶費用などさまざま。昨春から被害が急増し、金融機関も口座凍結などの対策を講じている。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040213-00000001-yom-soci