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2004年02月11日(水) 23時21分

イスラム女生徒のスカーフ、仏で禁止へ 下院で可決朝日新聞

 フランス国民議会(下院)は10日、公立学校で宗教色の強いものの着用を禁止する法案を圧倒的賛成多数で可決した。「信教の自由か」「布教活動か」を巡って昨年以来、国内各地の学校でトラブルを招いていたイスラム教女生徒のスカーフ着用を規制するのが、事実上の目的だ。この仏政府の対応は、国内では一般的に「公共機関での政教分離を守る試み」と肯定的に受け止められているが、国外では戸惑いも広がっている。

 法案は、宗教的な所属をこれ見よがしに示す標章を公立学校内で身につけることを禁止。ただ、適用に当たってはまず生徒との対話が必要だとも規定している。与野党ともに大多数の議員が法案を支持し、賛成は494人に達した。反対は36人、棄権は31人。今後、元老院(上院)での審議を経て、新学期を迎える9月に施行の見通しだ。

 「これ見よがしの標章」にあたるものとして、政府はイスラム教のスカーフやベールのほか、ユダヤ教の帽子キッパ、巨大な十字架などを挙げている。もっとも、イスラム教男性に多いひげをどこまで認めるかについては、政府内でも意見がまとまっていない。

 仏では学校でのスカーフ着用をイスラム原理主義の宣伝活動とする見方が多く、今回の法案の採択を人権団体や教職員らはおおむね評価。スカーフを女性抑圧の象徴と考える女性団体も支持を表明している。しかし、国内のイスラム教団体やキリスト教関係者の間には法案に否定的な考えが根強い。また、アラブ諸国や米国からは「宗教弾圧だ」との批判が上がっている。

(02/11 23:13)

http://www.asahi.com/international/update/0211/011.html