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2004年02月10日(火) 18時51分

おれおれ詐欺 最大の防御法「自分だけで考えない」こと /宮城毎日新聞

 ◇夫に連絡、娘の大学から貴重な情報も−−仙台の50歳代女性の場合
 子供や孫を語って電話をかけ金銭をだましとる「おれおれ詐欺」が後を絶たない。動転し冷静な判断ができないまま現金を振り込んでしまう——。なぜ、多くの人が同じパターンにはまり、だまされるのか。被害に遭いかけて免れた仙台市の女性Aさん(50歳代)の事例は「自分だけで考えない」ことが最大の防御であることを教えてくれる。【三岡昭博】
 □何か変……
 4日午後1時半ごろ、テレビを見ていると、30代ぐらいの男から「Aさんのお宅ですか」と電話がかかってきた。「盛岡郊外で娘さんの自転車が僕の車にぶつかり、大変な損傷を受けた」「妊娠中の妻が乗っていた。タクシーで近くの病院に行かせた」
 要求された修理代は92万円。岩手の大学に通っている「娘」も電話に出て「私……」と泣きじゃくった。短い言葉だけだったが娘と信じてしまったという。
 変だと思う点もあった。男が名前を名乗らず、振り込み口座は修理工場名義(群馬県の銀行の川越支店)。「公衆電話からかけている」と言うのに、特有の雑音もなかった。とにかく「主人と話す」と電話を切った。
 夫、娘には連絡が取れなかったが、娘の大学に電話をすると貴重な情報が得られた。「こちらは吹雪。自転車で出かけられる状態でない」
 □警察にも相談
 20分後、再び男から電話が入った。「3時までに振り込んでほしい」と要求され、「娘」は泣いたままだった。「やっぱり変」という思いが強まり、電話を切って男から聞き出した「妻の携帯」に電話をしてみた。すると全くの別人。警察にも相談し「現金を振り込んではいけない」とアドバイスを受けた。
 午後3時前、男から3回目の電話がかかった。「50万円でいいから振り込んでほしい」と額を減らしてきた。夫との相談を理由に電話を切ったところで、留守番電話を聞いた娘から「どうしたの?」と連絡が入った。
 □一時は揺れたが
 最初の電話から約1時間半。Aさんは男の話の真偽を確かめようと、思い当たるところに電話をかけ続けた。「娘が事件に巻き込まれたら」と一時は心が揺れたが、多くの情報を得ることで現金の振り込みを思いとどまることができた。
 Aさんは、娘が通った高校の同級生宅にも同様の電話があったことから「高校の名簿が使われているかもしれない」と考えている。いざという時に連絡がつけられるよう「娘のアルバイト先や友達の携帯の電話番号を確認した」という。(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040210-00000002-mai-l04